2000年10月、思潮社から刊行された藤富保男(1928~)の詩集。
詩はわが身のよじれ、あるいはわだかまりより生ず、と信ずるものなり。混沌、隠蔽、彷徨、無駄さ加減の明瞭なる事実、事件に遭遇するや、わが苦悩と共鳴音を発しつつ、忽然と詩の虫、背筋を走り首筋をくすぐり喉元でさえずるなり。その大方は取るに足らぬ事象にて、別に奇なることを求むるにあらず。トゥリビアルなる現象大いによしとす。かすかに嘆かわしきことこそおかしけれ。(「覚書」より)
目次
- 夕陽
- 雨
- 盛大なもてなし
- 休日
- ブルーの葉
- 再会
- すべる
- ケガから怪我になる正しい順序
- 占う
- 遭遇
- 雨のち雨
- 考証
- 火の髭
覚書