2011年12月、新潮社から刊行された岡井隆(1928~)の私小説。
目次
第一部 日記は、事実よりもつよい 二〇〇九年八月九日――八月二十二日
- 自筆年譜の余白に
- 世俗の栄誉にともなうもの
- 「わが告白」の目論見
- 内なる趣味 VS. 外なる仕事
- 三鷹、M荘スケッチ
- わたしという存在は、やはり……
- 「羨望される者」と「羨望する者」
第二部 愛の純粋と生活 二〇〇九年十月九日――二〇一〇年二月五日
- 自分には、あれ以外の生き方はなかったのだ
- 皇后陛下御誕辰祝賀の会について
- 大衆(マス)について(メモ)
- あの暗冥
- もうひとり佇んでいる者
- 最大の危険
- 純粋馬鹿
- 過去は詩に書けるだろうか
- 撤退しない癖
- 夢と同じもの
- 夢の中の話
- 失踪についてのメモ
- よくもあんなに独断専行する男に
- 自伝というものの書きにくさ
第三部 〈虚栄の市〉のなかの生 二〇一〇年三月十三日――八月十二日
- イッセイ・ミヤケの上衣
- 断想集
- 医と文をめぐる回想的メモランダム
- P(わたしの中のもう一人のペルソナ)との対話(七月六日)
- 福田節子追悼号
- 「文学」によって占領されていた
- 性的表現について
- 短歌結社とはなんだろう
- 処罰としての愛
- 「生きた、書いた、愛した」
- 中間的な考察
第四部 運命を抱きしめて 二〇一〇年十二月二十三日――二〇一一年七月十日
- 何かが自分の中で変った
- わが震災記
- わたしたちは忘れやすい人間
- 原子力という贖罪の山羊
余白のためのメモ