1984年8月、土佐出版制作室から刊行された片岡文雄(1933~2014)の第10詩集。装幀は著者、装画は片木太郎。
この詩集には前集『孤鶴図柄(こかくずえ)』以後のものをまとめた。六年ぶりの詩集である。もっとも、この間には『いごっそうの唄』と『はちきんの唄』という二冊の方言詩集をはさんでいる。それらは常民のことばと心におのずとこちらから出かけて成るものだから、原則的に共通語で書いた今度の詩集のような自己一個の生存をめぐって、世界と人間の問題をおのれに引きつけて書く場合とおもむきを異にしている。やはり六年ぶりの詩集ということになる。(「おぼえがき」より)
目次
河川敷の町で
生死両界
- We will meet again
- 復習その一
- 復習その二
- 学習
- 別れ
- いっそのこと
- 生存への夢
- 朱箸
- 王様の唄
- 襖
- 風呂敷
- 微塵
- 伝言
弦月をめぐる
- 消尽記
- 飼育記
- 下弦の月
- 物差
- 溺死考
- 夜半抄
小詩篇抄
- 挨拶
- 妙な夢
- 青空市で
- 関節炎
- 賽銭
- 水
- 蝶番
- 旧街道
- 仁淀川
おぼえがき