唐山の鳩 池田克己

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 1951年9月、日本未来派発行所から刊行された池田克己(1912~1953)の小説・詩集。写真撮影は坂井傳六。

 

 一九四八年から一九五〇年にわたる三年間に書いたものの中から、この本を作った。
「唐山の鳩」(百二十枚)と「重たい手」(百九十枚)の二つの小流は一九四九年に書き上げた。「二つの眼」はこの三年間に作られた三十六篇からなる詩集である。初めの「死の時代」が最も新しく、一、二の例外はあるが大體後のものほど古い作品である。この三年問に書いた詩は、尚十篇ほどある筈であるが、これは前に出した「法隆寺土塀」に後續する一連のものや、他の系列に屬する作品であるため、「二つの眼」の中に加えることは出来なかった。

 

目次

小説

  •  重たい手
  •  唐山の鳩

詩集 二つの眼

  •  死の時代 そのとき天窓の一隅に黒い太陽が懸っていた 失われた顔 闇の眼球 遠近 ふたたび血を吸った海綿體の太陽が昇る朝に 荒天の海邊にて 僕のひとりの海に 白い喪章 象嵌體 乾いた皮膚 胃袋の中の揚子江の雜魚 犯罪者 手の「時」 奇術 僕のS型の身體は 生活抒情 僕のひとり すれちがう物質のユピードの中で Double Exposure 精紳は僕と他の空間にいる臆病な物質だ 位置 二つの眼 千本の手 一日 皮膚の在所 どんより馬の眼に映っている風景 汚れた掌 量咸絶景 惡の行方 途上 命令者 二つの眼球の宿命について しめった惡のねがいごと 變事

 

関連リンク

吉野出身の忘れられた詩人に光 奈良大図書館で「池田克己」展

 

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