1982年10月。大陽出版から刊行された君本昌久(1928~1997)の詩論集。装画はダリ。
一九七九年に出した自選詩集のあとがきで「僕の戦後が燃えつきた」と書いたが、いまや、戦後詩については、鮮烈な感動を示さない若者の時代になった。そんな思いから、最近十年程の間に発表したエッセイを選んで最初の詩論集を編んだ。
詩論集に収録した十人の詩人は、ふたたび私の内部で戦後が燃えつきたといえばよいのか、いずれも戦前戦後に限ったもので、期せずして三章までの詩人たちは世を去っている。
第三章では神戸の詩人をまとめた。同じく、五章は神戸の戦後で「私の出会った人」を通して、私の略歴をスケッチしたものである。そして、三十年の歳月が流れ去った。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 「法隆寺土塀」と「唐山の鳩」――池田克己
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
- 「蜘蛛」の彼方で――須藤伸一
Ⅴ
- 戦後は過ぎ去って――私の会った人
あとがき