1973年6月、詩学社から刊行された武田隆子(1909~2008)の詩集。絵は武田敦史、箱絵はたけだとしこ、装幀はワシオ・トシヒコ。
わたしは、とくに「流氷」という作品を好む。その想像力の複雑な屈折や、多彩な起伏に先ずおどろいた。そして彼女の温雅な人柄のどこに、こんなにはげしいエスプリが潜んでいたのかと、いぶかって もみた。
しかしわたしは、彼女の天分と執念とにつらぬかれた、あの長い長い詩のキャリアについて、深い思いに沈んだのである。
(「序/村野四郎」より)
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序 村野四郎