ちかしい喉 松岡政則詩集

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 2009年7月、思潮社から刊行された松岡政則(1955~)の第5詩集。

 

 ことばを声に体現できないでいる喉を、そのさみしい微熱を書いてみたいと思った。なぜとはなしに、詩に近づけると直感したからだ。
 侯孝賢(ホウシャオシェン)監督の映画「悲情城市」に衝撃を受け、それ以来台灣と向き合うようになった。どうも台灣という土地は、時間と空間が普通ではない気がする。過去がそこいらに混じり込んでいるというか、濃密な霊気を、土地の眼差しのようなものを感じてしまう。見えている、それだけではないようなのだ。
 たとえ言葉は交わさなくても、真に人と出会えたと思える瞬間が、台灣にはある。「平溪線老街散歩」はそんな実体験に基づいて書いた。それ以外は先に作品が出来上がり、後からそれをなぞって歩いてみたようなことだ。わたしの台灣はまだまだ終わらない。この秋はルカイ族の里、茂林郷を歩く。
(「あとがき」より)

 


目次

どうよ。
餅なし正月
蠢動
古郷(ふるごう)の月
橋がくる
島の宝
ミツイシ
習作ノオト
ひと意地
行方知れず
ひかる石
夜の公園
山犬
名のる人
わたしではありません
背後の空から降ってくる
山地口琴
那魯灣渡暇飯店筆記(ナロワンリゾートホテルメモ)
辺地(へち)の夕まぐれ
平渓線老街散歩(ピンシーシェンラオヂェサンプー)
花蓮(ホワリエン)で雨、、、
我的「九份
笑う台灣

あとがき


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