2000年2月、東京新聞出版局から刊行された嶋岡晨の評論集。装幀は竹田壮一朗。
目次
第1章 現代詩の歩み――一〇〇年
- 森鷗外ほか訳「ミニヨンの歌」
- 島崎藤村「小諸なる古城のほとり」
- 与謝野晶子「君死たまふことなかれ」
- 薄田泣菫「ああ大和にしあらましかば」/蒲原有明「茉莉花」
- 北原白秋「接吻」/三木露風「去りゆく五月の詩」
- 川路柳虹「塵溜」/石川啄木「事ありげな春の夕暮」
- 高村光太郎「牛」
- 萩原朔太郎「地面の底の病気の顔」
- 山村暮鳥「風景―純銀もざいく」
- 高橋新吉「るす」/安西冬衛「春」ほか
- 佐藤春夫「秋刀魚の歌」/室生犀星「小景異情・その二」
- 宮沢賢治「永訣の朝」
- 西脇順三郎「天気」
- 村野四郎「体操」
- 中野重治「歌」/小熊秀雄「蹄鉄屋の歌」
- 金子光晴「燈台」
- 大木惇夫「戦友別盃の歌」/伊東静雄「わがひとに与ふる哀歌」
- 立原道造「のちのおもひに」/中原中也「サーカス」ほか
- 峠三吉「仮棚帯所にて」
- 高村光太郎「典型」/小野十三郎「放棄の歌」
- 鮎川信夫「死んだ男」/三好豊一郎「囚人」
- 田村隆一「四千の日と夜」
- 飯島耕一「他人の空」/谷川俊太郎「かなしみ」
- 長谷川龍生「パウロウの鶴」/黒田喜夫「空想のゲリラ」
- 谷川雁「東京へゆくな」
- 高野喜久雄「独楽」/中江俊夫「夜と魚」ほか
- 大岡信「さわる」
- 粒来哲蔵「商賈伝説」/粕谷栄市「世界の構造」
- 吉岡実「僧侶」
- 山本太郎「讃美歌」「チャルメラ・マーチ」
- 秋谷豊「北国」
- 新川和江「わたしを束ねないで」/白石かずこ「聖なる淫者の季節」
- 入沢康夫「鴉」
- 吉增剛造「変身」/荒川洋治「水駅」
- 終りに一言
第2章 現代詩のさまざまな魅力
・その一
- 真の〈現代性〉を求めて――本多寿、山之内まつ子
- 大いなる《笑い》のために――飯島耕一、荒川洋治
- 「外」への挑戦、「内」への沈潜――辻井喬、渋沢孝輔
- 《祈り》の現代的創造―――和田徹三、宗左近
- 漂流する詩的トポロジー――野村喜和夫
- 《病》と屍をこえて――三田洋
- 沖縄の《傷》に迫るリアリズム精神――大崎二郎、堀場清子
- 詩的散文の理想へ――以倉紘平
・その二
- 錆びた扉をこじ開ける――長谷川龍生、遠丸立、ンジュジ
- 時代に噛みつく《造語》――日高滋、和順高雄
- 新しい押韻の実験――松本恭輔、津坂治男
- 透視者の砂漠――城戸朱理
- アマチュアリズムの明・暗――木坂涼、二沓ようこ
- じゃが芋の味――よしかわつねこ
- 詩的明澄感――清岡卓行、文梨政幸
- 非詩の時代の底から――原満三寿、近藤洋太
- 老練の《相聞歌》――新川和江、加島祥造
・その三
- 《すっ裸》である難しさ――ねじめ正一、中江俊夫
- 記憶・経験・青春性――真辺博章、鎗田清太郎
- ハイ・スピリットは可能か――井川博年、辻征夫
- 記録詩―テーマの衝撃波――城侑
- ユニークな《夢料理》――久保寺亨
- 女性詩の二方向――中本道代、平鹿由希子
- 《先端》に立つ意味――荒川洋治、粒来哲蔵
- 《默語》―志の燃焼――原子朗
- 現代詩の一つの盲点――月森玲子
- ポエジーの〈若さ〉の径庭――嵯峨信之、かわじまさよ
・その四
- 〈やつし〉の詩、〈恨〉の詩――畑年文、浜田知章
- 〈非詩〉人と〈詩〉人の間――広瀬大志、池井昌樹
- 《よく生きる》詩人の芸―梅田智江
- ダンディズムと〈受難〉――田村隆一、天城奎二
- 優雅な《戦慄》の創造――菊池敏子
- 死語市場での〈戦い〉としての詩――山之内まつ子、阿部弘一
- 《むにゃむにゃのむにゃ》の世界――鈴木正樹、清岡卓行
- 反エスプリと反鎮魂――三好由紀彦、柴田三吉
- 〈越境〉と〈後退〉――小田久郎、高野喜久雄
・その五
- <軽み>の季節に――辻征夫、藤富保男
- 夢もどき・自他虐逆転劇―――木村信子
- 意識の〈暗室〉の中で――山田隆昭、粕谷栄市
- ポエジー欠落症候群――ディラン・トマス
- 必読のデータブックとして――入沢康夫、井坂洋子
- 〈未知の要素〉を求めて――中村真一郎
- 〈遺書〉としての詩
第3章 入門書『詩の作り方』の移り変わり
- 一 新体詩の時代
- 〈詩〉とは 漢詩のことだった/新体詩がいかにもてはやされていたか/『××自
- 在』なるタイトルの流行/ "レトリック辞典"として/俳体詩もあった
- ニ 〈新しい詩〉の時代
- 〈古格〉からの脱出/ 新体詩から〈新しい詩〉へ/音数律から内在律へ/〈現
- 代〉の自覚/「長詩」という呼称もあった
- 三 現代詩から戦後詩の時代へ
- 主知的方向への準備/革新的展開と反動的指導と/戦後の詩入門書の特色/抒情
- 否定/〈知〉・批評精神・リアリズム/思想としてのイメージ、比喩/社会性・
- 全体性を求めて
第4章 詩人の雑記
あとがき
初出一覧
人名索引