1974年1月、五月書房から刊行された高木護(1927~2019)の自選詩集。第25回H氏賞候補作品。
「猟」という表題の小詩集を出すつもりでいたら、五月書房主からここらで一線を引いてみたらどうかといわれた。多分足場をつくり、一からやりなおせということだろう。
三十年書いてきて、何のざまだ、とはいうまい。
昭和三十五年に出したガリバン詩集「裏町悲歌」は手許にないので、二、三の方に問い合わせたが手にできなかった。「詩人」「方向」「交叉点」「詩と真実」「日本談義」「母音」「人間」「商人」「歩道」「九州詩山脈」などに書いたものから、三十篇ぐらいは集めておきたかったが、これまた掲載誌が手許に一冊もないので、他日を期すしかなかった。
詩集といっても、ぼくのは薄っぺらのものばかりであるから、この詩集を一冊めとしてもいいのかもしれない。
解説は博多の産、大鶴竣朗君が書いてくれた。それに一冊も売れないかもしれないこんな詩集を出していただいた五月書房主のおふたりに感謝する。それにしても、今日まで生きて書きつづけているのは、多くの友人知人のお蔭であろう。一々おなまえは上げないが、ありがとう。
(「あとがき」より)
目次
・猟
- 霙
- 師
- 食べる
- 桜
- 蝶
- 暑い日の啓示
- 夕立ちまで
- 熱い
- 木
- 遅刻
- 秋
- 皿
- 神
- ゆめ
- 眺め
- 猟(殺ることの……
- 猟(ぼくは……
- 猟(村がある……
- 天使
- いそいそと
- 買物
- かくして
- 月光
- Buoy
- 交信
- 穴
- 百行の詩
・夕御飯です
- 朝汽車
- 耳
- 昼の月
- 行ってきます
- 夕御飯です
- 梟
- 月夜
- 夢の路
- お休み
・夕焼け
- 日曜日
- ごめんなさい
- 小鳥
- 夏休み
- 悪
- 夢
- 手紙
- 笛
- 夜の唄
- 猟
- タ焼け(何も……
- タ焼け(わたしは……
- 夕焼け(みんな……
- 唄(羽が……
- 唄(眠れぬ……
- 唄(安目の……
- 唄(哀しみは……
- 宿の唄(おけらの……
- 宿の唄(わたしの……
- 宿の唄(隣の……
- 雨の日
・知らない
- 童謡
- 知らない
- gomの木(黒い少女……
- gomの木(うまれた……
- 縞馬
- 一日
・やさしい電車
- 戦争
- へいわ
- やさしい電車
- 寝る
- 割れる
- 散る
- 切符
- 咲く
- 一日
- 昨日
- 浮かぶ
- 収入
- レール
- むらの貌
・落ち穂(旧作)
- 唄
- 猟
- たいくつ
- はなし
- 風
- 月下
- あきない
- いとおしめ
- 橋
- 蟹
- 飢餓
- いつものとおり
解説 大鶴竣朗
あとがき
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