あんた 徳道かづみ川柳集

 2004年6月、大阪プラスチックチェアから刊行された徳道かづみ(1973~)の川柳集。イラストは高橋秀武、木村文。著者は富山県生まれ。

 

 毎日毎日、寄り道ばかりしている。東京に居た頃は渋谷へ新宿へ、大阪に来てからは梅田へ心斎橋へ。単調な日々の中で、いつも何かを探している。だけど、何を探しているのかがわからないまま、雑踏の中を彷徨っている。
 川柳を始めて七年。その間に、転々と住所を変え、惚れたと言っては舞い上がり、別れたと言っては落ち込んで。その傍らに、いつも川柳があった。ふらふらと一向腰の据わらないわたしの軸となって、今もケホケホと吐き出され続けている。
 この句集では、二十二歳から三十歳までの作品を収録した。偶然手にした一冊の本(「川柳新子座』朝日新聞社)からこの句集まで、一直線の道程だった。何を探す必要もなく、ただまっすぐに走ってきた。その幸福と不思議を、今噛み締めている。
 暴走しがちなわたしをいつも見守ってくださる時実新子先生、曽我六郎先生。月刊「川柳大学」の仲間たち。今回イラストを担当してくれた高橋秀武氏、木村文氏。友月書房の麻生様。そして、この句集を手にしてくださった皆様に、感謝を捧げたい。
(「あとがき」より)

 


目次

  • あんた
  • あなた
  • あたし

あとがき


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索