2003年2月、詩画工房から刊行された津坂治男(1931~)による伊藤桂一(1917~2016)の評伝。装画は垣内美穂。
目次
第一章 修業と遍歴
- 系譜
- 大日寺 伊藤家
- 父 玄信
- 母イチと寺退散
- その十代
- 修業と遍歴
- 徳山、久米小学校
- 試行錯誤の十代
- 「祖父一家」
- 異体同心
- 若き鎖
- 桂一と『日本詩壇』
- 初期・抒情的習作
- 中期・自己の心象描写
- 後期・社会的広がり
- 二十歳の出発
- 行き暮れて、軍隊へ
- 初年兵から一等兵へ
- 唐詩選の国での絶唱
- 馬との交歓 4
- 戦い敗れて
- 「南紀の駅」
- 江南の水と風景
- 桂一の八月十五日
- 無の域から
- 川島の竹林
- 豊橋で
- 希望と徒労
- 「鈴鹿」の決意
第二章 詩から小説へ
- 詩から小説へ
- 「危険な伴侶」
- 希求の炎
- 『新表現』に拠る
- 開花へ
- 生まの渾沌
- 「アリラン国境線」
- 「雲と植物の世界」
- 「夏の鶯」
- 「黄土の牡丹」
- 孤独の結晶化
- 釣りの風景
- 生き物同士の共生
- 「敵は佐内だ!」
- 産卵の意志
- 直木賞受賞
- 「水の匂い」
- 「黄土の記憶」
- 「螢の河」
- 『竹の思想』
- 傷みの超克
- 雀の国へ……
- 傷みからの回復
- 頂の真実へ
- 「悲しき戦記」
- 苛酷な現実を……
- 大正世代
- 心身充実
- 天をめぐらす
- 生の源流へ
- 詩の安らぎ
- 成就のために
- 安らぎ、癒し、
- "気"のはたらき
- 未来に向けて
- 「名のない犬」
第三章 鎮魂と癒しのひびき
- 静かなノモンハン
- 「北の国の人々」
- 二人連れの中国
- 『静かなノモンハン』
- 詩は生きつづける
- 芸の力
- 『黄色い蝶』
- 風車の浜吉
- 芸の力
- 心極まれば
- 『遙かなインパール』
- 折返点
- 無名庵主に
- 『連翹の帯』
- 「八十歳の周辺」
- 自身の歩みを1
- 鎮魂と癒しのひびき
- 鈴木輜重兵の場合
- 生者と死者の物語
- 往相と還相
- 天衣無縫
- 鎮魂と癒しのひびき
第四章 文学風土
跋 大河内昭爾
あとがき