2007年8月、長崎新聞社から刊行された山田かん(1930~2003)の評論集。表紙装幀は濱本重和。
目次
第一章 夜明け・開拓期
- 近代文学との接触
- 五足の靴」や茂吉らの影響
- 山口麻太郎と現代詩
- 象徴派の先駆、三富朽葉
- 若者たちの熱気
- 純粋さの衝動
- 「長崎茶話」刊行
- 飄逸漂う平野止夫の文体
- 時代性と耽美主義州
- 中村三郎の短歌と人生観照
第二章 研瑤会雑誌のこと
第三章 壱岐島の詩活動
- 埋もれていた詩的収穫
- 回覧雑誌「饗宴」
- 機械文明への憧憬
- 長崎との文学的交流
- 目良歌比古と春一番
- 詩誌「土塊」
- 壱岐モンロー主義
- 「耕人」創刊
- いわれなき白眼視
- 露風に捧げた作品
- 土着性の否定、空白期へ
第四章 対馬へ
- 新井徹の業績
- 民族の父祖の血の匂い
- 無私の情熱
- 権力に抗して
- 余儀なくされた沈静
- 生涯の戦いとしての文学
- 希求した人間解放
- 誠実な反省と自己批判
- プロレタリア詩人の限界
- 深い絶望
- 風土に根ざした詩人たち
- 上田孝志「対馬文芸」
- 明るく清々しい歌稿
- 洲川千里の象徴詩法
- 愛惜こめた追悼文
- 「名門の貴公子」
- 竹内重夫の内面の重さ
- 宗武志の望郷
- 真摯な作詩姿勢
- 現在の詩状況
第五章 五島の詩表現
- 「浜木綿」を舞台に
- 才津玉樹らの活躍
- 中村善男の「詩的自画像」
- ”ふだん記”の海端作品
- 新常民の文章運動
- 飾り気ない語り口
- 海の詩人
第六章 再び長崎へ
- 変わりゆく時代の水脈
- 文芸誌「紅毛船」
- 斬新な「青年団々報」
- ボヘミアン金子光晴
- 立原道造「長崎ノート」
- 「歩」から「長崎文学」へ
- 戦争と詩人たち
- 時代へのいらだち
- 年少詩人の夭逝
- 時局の反映
- 息永い歌誌「あかつき」
- 松尾あつゆきの原爆詠
- 叫ばれた総力戦
- 空疎な言葉の羅列
- 直情的な戦争賛美
- 大状況に飲まれる
- よみがえる自由
- 「九州文学」復刊
- 壮絶な森清秋の死
- ひたむきな生を求めて
- 藤浦洸の眼差し型
- うれしい大ヒット
- 波乱万丈の民謡詩人―西岡水朗
- 詩史を終えるにあたって 脈々と生きる先人の魂ぬ