飛鳥 鍵和田秞子句集

 1986年9月、角川書店から刊行された鍵和田秞子(1932~2020)の第3句集。装幀は伊藤鑛治。現代俳句叢書Ⅱ期8。著者は神奈川県生まれ、刊行時の住所は東京都府中市栄町。

 

 句集『未来図』『浮標』に続く第三句集を『飛鳥』と名付けた。昭和五十七年一月から六十年十二月まで、満四年間の作品の中から三九五句を撰んでみた。
 振り返れば句作もすでに三十五年になり、近年は特に伝統への関心が深まったように思える。今回句稿の整理をしながら、しぜんに「飛鳥」の題名が浮かんできた。集中に飛鳥地方での旅吟もあるが、日本文化の発生ともいうべき飛鳥時代は、もともと好きであった。
 又、昭和五十七年に俳文学会の訪中団に加えていただき、中国の詩人と語り合えたことも、詩歌の伝統を考える上で示唆を与えられた。中国の大自然に接し「万緑」「炎帝」など漢語による季語を現地で体験したのも、意義深いことであった。
 昭和五十八年八月五日に、二十年来師事してきた中村草田男先生が逝去された。本書の前半が、草田男先生の選を経た最後の稿となった。その翌年、仲間たちの強力な支援を受けて決意し、俳誌「未来図」を創刊した。多くの方々のあたたかい励ましによって、とにかく懸命に歩み続けてきた。本書の後半、新たに自立してからの句は、草田男先生から学んだ詩精神を基盤にして、私なりに全力を投じた作品群である。
 この句集上梓に当って、角川春樹社長をはじめ、担当の小島欣二、佐川広治、福田敏幸の各氏、ならびに装丁の伊藤鑛治氏に深く感謝申し上げる。
(「あとがき」より)

 


目次

  • 寒桜(39句)
  • 西湖の彩(36句)
  • 春雷(40句)
  • 草田男忌(32句)
  • 蓬萌ゆ(84句)
  • 飛鳥(48句)
  • 花菖蒲(72句)
  • 船出の地(44句)

あとがき


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