2009年1月、邑書林から刊行された真鍋呉夫の句集。装幀は島田牙城。
この句集『月魄(つきしろ)』には、故宗左近氏の推輓によって平成十四年に世に出た『真鍋呉夫句集』以後、六年間の作から選んだ二百十三句を收録した。
集名を『月魄』と名づけた理由の第一は、私が青年時代以来、どちらかといへば、太陽よりも月のはうが好きな夜行動物だからである。第二は、漠然とではあるが、この日頃、この巨大で無限定的な宇宙も、私のやうに孤獨で無骨な極微の存在とその運動によって成立してゐるだけではなく、閒もなくその巨大な宇宙の象徴としての「月魄」と一軆化する日がくるにちがひない、と思ってゐるからである。(「あとがき」より)
目次
- 露草
- 釘隱
- 白桃
- 青鶯
- 湧水
あとがき