1981年10月、土曜美術社から刊行された菅原克己(1911~1988)の第8詩集。装画は著者、装幀は加藤幾恵。
主にこの五、六年ぐらいにできた作品を集めた。八冊目の詩集である。『定本菅原克己詩集』」(一九七八年)の「未刊詩集より」の作品も、この間のもので、そこに収めた「なんじゃもんじやの木」は、「佐須村」の一篇として豫定していたので、再録した。
ぼくらのまわりの現実は、奥ふかい海のようであり、ぼくの詩は、日常というところから落す小さな錘にすぎないが、それでもこの単純、平凡な日常の生活に、いつも溢れるような主題を感じて、勇気づけられている。
(「あとがき」より)
目次
旧詩帖
- 島
- 老松町の病院の記憶
- 海の話
- 蔵王高湯の思い出
- むかし、一人の詩人がいた
- ダブリンの鐘
佐須村
- 馬背口の欅(一月)
- なんじゃもんじゃの木(二月)
- 山すみれ(三月)
- 花市(四月)
- 追分(五月)
- 野バラ(六月)
- 青葉の部屋(七月)
- 仲のいい夫婦(八月)
- 日が終って(九月)
- 隣の家(十月)
- 上ノ原の小さな公園(十一月)
- 佐須村(十二月)
日々のあとさき
- わが家のかみさん
- 混線テレビ
- ボップ・ホープ
- ドン・キホーテ
- 乾杯の歌
- 千歳船橋の友人
- 小さなとものり
- 鉋の音
- ウルトラマン
- 七月の終りの日に
- ジャムの写真
- マロニエの実
- 自由な時間
- 花アカシヤ
- たからもの
- こぶしの樹のある家で
夏の話
あとがき
初出一覧