1992年12月、れんが書房新社から刊行された福井桂子の第5詩集。ブックデザインは宮園洋(百鬼界)。
ためらいつつ、これら貧しい詩作品の二二編を、私は差しだします。これらは、私の日々のなぐり書きまたはメモのようなもの、かもしれないと思ったりもします。事実は、創ったものですから、そうであるわけはないはずですのに。この時期(一九八七年~一九九一年、作品によってはもっとずっと以前よりのもあります)、なにかうらさびしいこころの旅を、私はしてきたようです。詩作の時間も、あまり残されてはいないと思われたりしました。曲がりくねった草の道をあゆむようにして、どうにか、私の五冊めの詩集を創ることができました。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 1オーロラが振り返る
- 2波…
- 3こわれている水ぐるま
- 4銀の水車、他―短詩五篇―
Ⅱ
- 1カヤツリ草、五月は終る
- 2物知らずの鳩
- 3嵐
- 4さくらんぼの産ぶ着
- 5田の庭
- 6青い町錫の町
- 7だまっていてください
-
8水ぐるまのまわっている広場から
- 9鷗天使のくる朝
- 10霙のふる日もふらない日も
- 11「小クラウスと大クラウス」のように
- 12螢
- 13屋根屋
Ⅲ
- 1浦へ―長詩―
Ⅳ
- 1アルストロメリア
- 2金柑を煮る
- 3ホロキ長根のかすかな住人
- 4順礼
あとがき