1992年10月、あざみ書房から刊行された植田章子の第1詩集。装画は園原潤。
詩集を出すことが決まってから、これまで気づかなかったことに気づくようになった。
英語には「知力の範囲」という意味でkenという単語がある。beyondmykenとは、今の私の心境。安堵感である。
五月の花が船出する時、見送りに行く機会はあるのかもしれないが、私自身が”向こう側”へ行くことはないだろう。限りない未来が見えているからこそ、こちら側で土に還える者にとって、「限りある」は正しい表現だ。今日明日の問題に係わる本業のおかげで、パニッらずに地面を歩くことができる。
火星があってもなくても、宇宙が広くても狭くても、欲望はコントロールされる。そしてヒトは詩によって励まされ、慰められ、畏れもするから、瞬間通路を抜けて新しい世界を拓くのだと信じたい。
私が詩を作るようになったのは、十年ほど前のこと。一九九一年夏から一九九二年春にかけて作った中から二十六篇を選んで、この第一詩集とした。
(「あとがき」より)
目次
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あとがき