2006年3月、私家版として刊行された江嵜一夫の第3詩集。
街を歩いていて、街並みが途切れて小さな空間に突き当たるときがある。それが空き地、あるいはちびっ子広場だったり、公園だったりする。
この小さな空間は、あとがき・編集後記に似ている。著者や編集者に与えられたご苦労さんついでのお駄賃のようなものだと思う。
黒澤明監督の『生きる』で志村喬演じる主人公が、公園の秋千にゆられながらゴンドラの唄を口ずさむ情景が浮かんでくる。
私も、暫し秋千にゆられて、主人公のようにかっこう良く、この小さな空間からさようならできたらよいのだが。
(「あとがき」より)
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あとがき