1984年10月、青磁社から刊行された八代信(1942~2020)の詩集。表紙写真は山形弘善、デザインは内田麟太郎。著者は群馬県下仁田町生まれ。刊行時の著者の住所は中野区新井。
これらは、79・80年の頃のものです。ようやく、こうしてまとめることができました。どういうわけか冷や飯をくった作品たちですが、きらいではありません。
「春のわかれ2」の母と息子たち、とは韓国でいまも囚われている徐勝・徐俊植と、いまは故人となられたその母のことです。
同時期にかなりの量の散文詩を書きましたが、それらは「みどりまみどり」におさめました。散文詩、という考え方を、特別にしてきたわけでなく、ただ、あつめてみたらおもしろかろう、という、それだけの理由でしたので、今度の作品集に入れなかったのも、それだけのことです。
一九八四年八月一六日
(「あとがき」より)
目次
- 秋のひと1
- 2
- 3
- 冬景色
- 冬の路上に
- 今日はわたしが酔うの
- あなたがそこにいたように
- その日いちにちだまっていたように
- ただそれだけ
- 春のわかれ1
- 2
- 3
- 4
- なにもせず
- 塩辛好きでしょう
- 四時になればもう朝
- 俗謡
あとがき