きょうは美術館へ 片岡千歳詩集

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 1997年12月、タンポポ書店から刊行された片岡千歳の第2詩集。装幀は織田信生。

 

 「1/4世紀、生きた証として、詩集をつくろう」と言う思いで、'59年に『ありあ』をつくってから、さらに1/4世紀以上の時間を、詩の創作から離れて過ごして来ました。
 杉山平一氏を中心に、神戸に在った『月曜日』から『ありあ』は刊しました。その頃(私の『月曜日』当時)杉山氏は、ご自分の会社の破産等という辛く厳しい時だったことを'89年出版された『わが敗走』(氏の心の自叙伝)によって遅まきながら知ったことでした。その大きな挫折の時にも、詩の創作の現場から逃げださずに在った杉山氏のことを思うと、生活的なことで、創作の場から逃げ出していた自分を、大変恥ずかしく思います。
 詩集の題にした『きょうは美術館へ』は、『風土通信』の河上迅彦氏が、発表の場にとお声をかけて下さったことがきっかけで、出来たのでした。それが呼び水になって、すこしずつ又作品が出来るようになりました。
 それにしても、ここ十年私の回りを流れていった時間に比べて、私の作品は、いかにも乏しく貧しいことを思い知らされます。けれども、乏しく貧しいなりに一本に纏めて、逆に作品から逃げられないところに、自分を置いてみることにしました。
 杉山平一氏に、励ましのお言葉を頂きました。深く感謝いたします。
 本作りには、『生徒』の仲間、絵本作家で版画家の織田信生さん、友人の詩人で「ふたば工房』の大家正志さんにお世話になりました。ありがとうございました。
 扉の絵は、スエーデン刺繍の残り布と糸で、夫、片岡幹雄がたわむれに刺し描いたものです。昭和36年の作品です。
(「あとがき」より)

 


目次

  • 抱きしめる
  • 種を蒔く
  • ポケット
  • 反復
  • 体験
  • 佳日
  • りんおぬた
  • 匂い

  • きょうは美術館へ
  • 「縁を切る」
  • 病院にて 
  • タンポポ 
  • 朝のうた

 

片岡千歳さんの詩 杉山平一

あとがき 片岡千歳


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