2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

河野愛子論 死の思索性、エロスの思想性 中川佐和子

1999年5月、砂子屋書房から刊行された、中川佐和子による河野愛子論。装幀は倉本修。 目次 第一章 はじめに――河野愛子の歳月 言葉と詩魂――歌集題の意識 『木の間の道』――初期の作品世界 昭和三十年代の女性の歌 1昭和二十年代の始点 2昭和三十年代の展開 …

見知らぬ町で 飯田善國詩集

1983年11月、思潮社から刊行された飯田善國の第1詩集。装幀は吉岡実。 目次 アモール・イマジネール 黒い使者 還らないもの 声がきこえる よそゆきの顔 来るだろうか 春の雨 あの男と海 花の名を 工業的虹 黒潮の力 砕け散る波 きみの掌 海を視て 流星の跳躍…

詩と批評 T.S.エリオット/鮎川信夫

1954年11月、荒地出版社から刊行されたエリオットの詩論集。翻訳は鮎川信夫。 目次 序論 ペンブローク伯爵夫人のための辯明 ドライデンの時代 ワーズワースとコウルリッジ シェリーとキーツ マシュー・アーノルド 現代の精神 結論 解説(鮎川信夫) NDLで検…

通過 中村義則詩集

1966年、他人の街社から刊行された中村義則の第2詩集。装幀は赤瀬川原平。 目次 通過 ある朝 ほおきの件 除去の件 ひざ上30センチの件 輝く朝 ふくらみ 誰も居ない部屋から 裏切り ママの声 四歩目ぶるうすい ママぼくでかける はだしの唄2 はだしの唄3 はだ…

舟越道子詩集 舟越道子

2000年4月、角川書店から刊行された舟越美智子の詩集。彫刻家・舟越保武の妻。 目次 Ⅰ エゾエンゴサク 湧き出ずるもの 美しい桜の花よ タンポポ 春の青空 姉 沼のほとり 一枚の絵に添えて こころ 阿寒湖畔にて 雨が霽れて… 七里ヶ浜にて おさなき哀歌 灯は霧…

瞳で泳ぐ 岡田隆彦詩集

1980年7月、思潮社から刊行された岡田隆彦の第10詩集。題簽は安東次男、装画は若林奮。 しばらく思うように詩作できなかったのだが、(仕上がりはとにかく)七八年の後半から、いくらか気分が乗ってきた。それらをまとめたのがこの一本である。わたしなりの羇…

反核詩集 核なき明日への祈りをこめて 栗原貞子詩集

1990年7月、詩集刊行の会から刊行された栗原貞子の詩集。 目次 序詩まえがき 第一部 「生ましめんかな」の詩碑建立 生ましめんかな 最初の誕生 核なき明日への祈りをこめて 第二部 ヒロシマとナガサキのいま 八月の死者たちのために ヒロシマ消去法 黒い鶴幻…

みぞれふる 倉橋顕吉詩集

1981年4月、私家版として刊行された倉橋顕吉の遺稿詩集。編集は顕吉の弟、倉橋志郎。 今は、人間の詩が政治にふみにぢられている時代だ。 水遠に詩が政治の足の下にあるとは、しかし考へられない。 …………生きること、この眼をこらし、この眼でたしかめ、私は…

夢の跡 大木實詩集

1947年7月、臼井書房から刊行された大木実の第6詩集。 目次 藪椿 早春 夕餉 寝顔 祕密 夏帽子 妻 こほろぎ フライパン 朝 ゆめ 穉な妻 家のなか 歩く 太郎の手 太郎 子供と桃の花 日向 母と子 買物 厨の物音 家族 月夜 月のひかり 跫音 この冬も 糸玉 火 朧…

私の道のうえに 除村ヤエ詩集

1984年10月、ベルデ出版社から刊行された除村ヤエの第2詩集。除村は、ロシア・ソビエト文学者・除村吉太郎の妻。 一九四五年八月一五日、私は病んで、群馬県の生家で寝床の上にあった。母が例によって私のお昼を運んできたが、お膳を下に置くなり、体ごとの…

極みを歩くもの 武井京詩集

1982年4月、黄土社から刊行された武井京の第5詩集。 目次 Ⅰ 極みを歩くもの 極みを歩くもの ひとりはひとり 濯ぐものは 無題 北極圏 阿字が浦にて 雨滴 根が在ることを ベレー帽の下に 病棟に雨を聴く ありがとう Ⅱ 民話 民話 焼きむすび 寒鮒の味噌汁 忘却…

猫談義 崔華國詩集

1984年9月、花神社から刊行された崔華國(1915~1997)の第2詩集。装幀は林立人。第35回H氏賞受賞作品。 日本語での第一詩集、『驢馬の鼻唄』(詩学社)以降四年間に、「詩学」の他、同人誌「四海」「風」「西毛文学」「東国」等に寄せた作品をまとめたのがこ…

鰈 安部一郎詩集

1967年11月、木犀書房から刊行された安倍一郎の詩集。装幀は上塚尚孝。 目次 河 酒ほがひ 百日草 はまにきて 赤い裳 夜の公園で あの人 旗 Narcisse 孤座 みんなねむってしまった夜 詩業 聖家族 麦酒 長男 西瓜 秋立ちぬ あさあけのしずかなるくに …

白夜 松本春蘭句集

2011年7月、ふらんす堂から刊行された松本春蘭の句集。装幀は和兎。目次 第一部 飛鳥Ⅱの旅 2009年4月~7月 Ⅰ スエズ運河 Ⅱ マルタの砦 Ⅲ フィヨルド Ⅳ 日蝕 第二部 日々の拾芥 Ⅰ 赤きキャンドル 2006年・2007年 Ⅱ 薔薇茶 2008年・2009年 Ⅲ ツンドラ 2010年 …

北條 石原吉郎詩集

1975年4月、花神社から刊行された石原吉郎(1915~1977)の第4詩集。装幀は林立人。図版は著者と吉行理恵。 目次 一條 北條 さくら 藤Ⅰ 藤Ⅱ 北鎌倉扇ケ谷 蕭条 流涕 常住 都 挙手 和解 痛み 瞬間 病気 悔い 牢獄から 耳を 門 夜明けと肩 空腹な夜の子守唄 風…

迷宮行 桶本欣吾

1980年1月、深夜叢書社から刊行された桶本欣吾の短編集。装幀は野村昌哉。 目次 迷宮行 鏡、黒の…… 鏡、白の…… 約束の地 天山 神人譜 トビアス 霧の彼方の 緑夜 月光ゲッセマネ ユダの甥 心中湖 エデンの蜜 跋 日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

天窓から 鎌倉佐弓句集

1992年5月、巴書林から刊行された鎌倉佐弓の第3句集。装幀は荒木海踏。鎌倉は夏石番矢の妻。 目次 歌う青色 オリオンの裏 きらりきらり 光をはじく岬 あこや貝 吹かれ上手 骨のかおり 幸福なうろこ雲 あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフ…

禮節 石原吉郎詩集

1974年1月、サンリオ出版から刊行された石原吉郎の第3詩集。題字は三好豊一郎、装幀は林立人。 目次 断念 レギオン 満月 礼節 ロシヤの頬 素足 色彩 虹 手紙 朝 姿 水よ 神話 キャンパスで ユーカリ 名称 食事 橋 海をわたる 犯罪 闇と比喩 残り火 義務 冒頭…

アカシアの雨がやむとき 水木かおる詩集

1979年11月、サンリオから刊行された、作詞家・水木かおるの詩集。挿画はさいとうやすひさ、装幀は山内たつゑ。 目次 《哀しみのかなたに》 アカシアの雨がやむとき 泪がいっぱい あと五分だけ ある雨の朝 エリカの花散るとき 明日よこんにちは 死ぬまで一緒…

ゲロ伯爵伝 八並誠一詩集

1963年10月、新光閣書店から刊行された八並誠一の第3詩集。 昭和33年に、二冊目の詩集「贋クリスマスの夜」を出したとき、詩作の先輩、森荘已池氏から「貴兄のものは一流と思うが、何せ量が少なすぎる。たったひとつの詩の句を得ればいいというような説には…

伊藤和詩集 伊藤和

1960年1月、國文社から刊行された伊藤和(1904~1965)の詩集。 目次 ・泥 町へ売る お祭りだというて おばあさん おふくろ 冬晴 泥 馬を休ませる 鶺鴒の尾 麦踏み 馬 タバコ 一枚の着物 手紙 赤いピラピラ 九月 稲を刈る 無題 老ばれめ 号外 本町通り コッ…

晩祷 三木澄子

1998年7月、オホーツク書房から刊行された三木澄子の遺著。 三木澄子が同人誌「文芸網走」に連載していた「晩祷」は、作者の死で未完に終っていた。一九八八年(昭六三)二月に第三回までを発表したが、それまでの原稿量は約三百枚だった。この年の春四月に急…

北のソネット 三木澄子

1987年8月、オホーツク書房から刊行された三木澄子のエッセイ集。 これは奇妙な本なのです。私にはそんな気はなかったのに、ある魔法使いが不思議な魔法を私にかけ、出版されることになったのですから。 東京暮らしだった私が、はじめて北海道に旅をして、網…

高橋新吉詩集 高橋新吉

1972年10月、彌生書房から刊行された高橋新吉詩集。世界の詩64。 目次 オシ ツンボ 空腹 皿 花曇り 昼から 釜山から 京城まで 鎧 白い雲 海の腸 一つの事 曇天 芋 殺しあう事も 豪雨 海 冬の日 落葉 階段 茸 わが父 無意味 雀 乱脈なる 冷房装置 比叡山 高野…

鶴の天 菖蒲あや句集

1997年1月、梅里書房から刊行された菖蒲あやの第3句集。 句集『路地』を出してからもう三十年余り経ってしまい、再版を出してからも三年経ってしまいました。俳句は履歴書という岸風三樓先生のお言葉からして、私の履歴書は第二句集『あや』以後停まってしま…

あや 菖蒲あや句集

1979年10月、牧羊社から刊行された菖蒲あやの第2句集。現代俳句女流シリーズⅡ16。シリーズ装幀は直木久蓉。 はじめての句集『路地』を出してからもう十年余りも経ってしまいました。その『路地』のあとがきで、貧乏臭い路地から抜け出たい、いつかは出て行け…

現代作家論集3 夏目漱石 荒正人

1957年12月、五月書房から刊行された荒正人による夏目漱石論。 目次 漱石の生涯 幼年時代 青年時代 松山時代 英国留学時代 帰朝後の漱石 朝日新聞社時代 最盛期時代 修善寺の大患 晩年の漱石 漱石の文学 漱石の作品 吾輩は猫である 坊ちやん 草枕 二百十日 …

路地 菖蒲あや句集

1967年10月、牧羊社から刊行された菖蒲あやの第1句集。装画は桑田雅一。 それは、随分遠いことのようにも思われ、つい昨日のことのようにも思われます。 やっと戦争は終ったものの一面の焼野原、いったいこれから先どうなることかと呆然と過す日々でした。 …

南大阪 福中都生子詩集

1964年7月、思潮社から刊行された福中都生子(1928~2008)の第3詩集。写真・装幀は梅村豊。 目次 Ⅰ 南大阪 かわいた街に おねがいがあります市長さん 心齋橋 方向不在 約束した人 早春 家の前のつきあたり 目撃 Ⅱ おまえがうまれた日 死児の街 産んできた殺…

文壇資料 田端文士村 近藤富枝

1975年9月、講談社から刊行された近藤富枝による文壇史。装幀は森下年昭。 東京府下豊島郡滝野川町字田端は、明治の末には一面の畑であり、何の変哲もない田舎町にすぎなかった。 しかし上野美術学校と台地続きであったため、美術人の住まう人が相つぎ、大正…