2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

かくしてバンドは鳴りやまず 井田真木子

2002年2月、リトル・モアから刊行された井田真木子(1956~2001)の遺稿集。装幀は中山昌士。 目次 本書の成立まで 連載企画書 第一章 トルーマン・カポーティとランディ・シルツ ”切実さ”について/彼らはどこで”生まれた”か?/僕は勉強ができない/彼らの…

星空の蝉 古東古城句集

2018年5月、花神社から刊行された古東古城(1920~1959)の遺稿句集。編集は娘の古東陽子。装幀は熊谷博人。 三年前に母が亡くなり、その葬儀の席上、弟から古い手帳を受け取りました。それは、父の残した十冊余の手帳でした。母が大切にもっていたものでし…

黒い蝶 宮中雲子詩集

1981年6月、木曜会出版部(サトウハチロー記念館内)から刊行された宮中雲子(1935~)の第2詩集。 目次 月に抱かれて 快い反芻 心待ち 無の幸福 月と私 誕生石の謎 愛を計る 月 ただそれだけで…… 茫然 静かな愛 バレンタインデー 月よ まだ? とぎれる想い …

魅惑 黒塋蒿詩集

1949年9月、三笠書房から刊行された黒塋蒿の第1詩集。装幀は山東洋。帯文は内田百閒、解説は野間宏。 目次 魅惑 小曲・首途 贈りもの 散文詩・職人 風 驟雨 倦怠 倦怠又 春 ふるさとの 雨の別れ 散文詩・不健康 初雷 叡山頂叙景 行軍 秋恨 叛逆 幻 鳥影 冬二…

リアリズム詩論のための覚書 浜田知章

1997年4月、風濤社から刊行された浜田知章の詩論集。 目次 私記・詩人の戦争責任についての覚書 焼跡に残したサンダル 過渡期に生きた詩人たち 青き猪の旋律 サークル運動の根本理念にふれて 食うべき詩・食えない詩 テーマの衝動性と抑制力 「運動体として…

渚に立つ 沖縄・私領域からの衝迫  清田政信

2018年8月、共和国から刊行された清田政信の評論集。ブックデザインは宗利淳一、DTPは木村暢恵。 目次 微私的な前史 Ⅰ 沖縄・私領域からの衝迫 世礼国男論 金城朝永論 仲原善忠にかかわりつつ 比嘉春潮にかかわりつつ 伊波普猷論の入口まで 折口信夫にかかわ…

蝉の声がして 岩阪恵子

1981年10月、講談社から刊行された岩阪恵子(1946~)の第1小説集。 目次 蝉の声がして 螢の村 藤下余情 撫子 雨あがりの舗道で 見られる NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

一人の彼方へ 黒田喜夫

1979年6月、国文社から刊行された黒田喜夫の評論集。装画は小野絵里、装幀は三嶋東典。 目次 Ⅰ 一人の彼方へ 一 譚詩《葦の湿原のかなた》 二 鎮らざる地の歌 三 譚詩《原野へ》 四 土着と亡滅 五 歌と郷 (Ⅰ) 六 歌と郷 (Ⅱ) 七 歌と郷 (Ⅲ) 八 異郷と調…

オリオンの哀しみ 氷上恵介

1985年1月、氷上恵介遺稿集出版委員会から刊行された氷上恵介の遺稿集。画像は1995年9月第3版。 文芸活動等を通じ、全国の療友の間でも、その名の知られた氷上恵介(藤田四郎)君は今年の一月五日急逝し、六十才十か月の生涯を閉じましたが、余りにも突然な、…

希望の火を 塔和子詩集

2002年4月、編集工房ノアから刊行された塔和子の詩集。 どんなつらい時も、向こうにかすかながらでも希望の火が見えていれば、人は堪えられるものだ。 今の私はうなぎであると詩いましたように、人の館にたてこもり自分のような身体不自由者でも、安心して外…

死にいたる飢餓 黒田喜夫

1961年1月、国文社から刊行された黒田喜夫(1927~1984)の評論集。 四、五年前、代々木病院のベットのうえで呻吟していた頃、当時国文社の仕事をしていた松永伍一からエッセー集をださないかとの話しがあった。そのときの相談では、安保闘争の葛藤や私など…

わが師 太宰治に捧ぐ 桂英澄

2009年8月、清流出版から刊行された桂英澄(1918~2001)の作品集。写真は桂妥袈子、装幀は西山孝司、編集協力は高崎俊夫。 目次 第一部 暗冥に光を――太宰治追想 箱根の太宰治 初対面のころ 若き師 ”軽み”を忘れるな 「富嶽百景」をめぐって 第二部 短篇集『…

生きる歓び 岡田隆彦詩集

1977年2月、青土社から刊行された岡田隆彦の第6詩集。 これは、『ユリイカ』一九七四年一月号から翌年九月号まで連載された十九篇に、書き下ろしの表題作を加えたものである。当時、気分が妙に沈んでいて物がよく見えそうな錯覚にとらわれていたが、編集部・…

遠い城 ある時代と人の思い出のために  菅原克己

1977年6月、創樹社から刊行された菅原克己の随筆集。装本は高頭祥八。 たいていの人は、その生涯の中で、思いがけぬ驚くべき事件にいくつか出会っているものだが、ぼくの場合は、特にそれが青春期に多かったように思われる。そして、若く、駆け出すようにこ…

ナイチンゲール 入交總一郎

1931年12月、金の星社から刊行されたナイチンゲールの評伝。少年少女世界偉人物語5。装幀は寺田良作。装画は岩岡とも枝。画像は裸本。 目次 一 小さい看護婦 二 博愛の泉 三 可憐な花一莖 四 動かぬ堅い心 五 心をうつ案内者 六 災ひ多き道 七 愛國の婦人よ …

青昏抄 楠誓英歌集

2014年7月、現代短歌社から刊行された楠誓英(1983~)の第1歌集。付録栞は、沖ななも「薄闇のむこうに」、外塚喬「影と光と」。 これが私の第一歌集になります。この文を書いている現在、ちょうど三十一歳になったばかりですので、歌集のほとんどは二十代の…

女よこの空の下に 海老塚市太郎詩集

1993年、私家版として刊行された海老塚市太郎の詩集。1956年6月、海市発行所から刊行されたものの復刻版。 目次 或るノオト 嘔吐幻想 或るノオト 壁 運命 喪章の年 夜・植物・戦争 犬の恐怖 雑踏について 顔について 肺結核 手記から 風について 明日へ継承…

人生摘要 英米現代詩集 衣更着信訳

1983年12月、書肆季節社から刊行された衣更着信の翻訳詩集。装幀は政田岑生。 わたしが詩の翻訳をするようになったのは、あきらかに中桐雅夫の影響による。終戦間もなくの香川県知事選挙が、戦後の地方選挙を占うモデルとかで、各新聞社の本社記者がそろって…

孤独な泳ぎ手 衣更着信詩集

1983年11月、書肆季節社から刊行された衣更着信の第3詩集。装幀は政田岑生、製本は町田隆、製函は栗田博。 目次 孤独な泳ぎ手. Sous La mer 近況 昼下がり 中年 あぐりという女と 老人 夜明けの時 早春譜 谷の奥の端の わがヨーロッパ Mon Caprice 二つのカ…

苛烈な夢 伊東静雄の詩の世界と生涯 林富士馬 富士正晴

1972年4月、社会思想社から刊行された詩人・伊東静雄の詩論・評伝。林富士馬と富士正晴の共著。現代教養文庫749。写真は横田正知。 目次 Ⅰ 林富士馬 詩集出版の周囲 初めての詩集 第二詩集「夏花」 第三詩集「春のいそぎ」 第四詩集「反響」 伊東静雄詩集 詩…

かもめ月 今村清子詩集

1995年11月、湯川書房から刊行された今村清子の第1詩集。 目次 Ⅰ みちしお ピエロの手品 残暑はきびしく 夢をみたのよ わたしは手紙を書いた あそびにきて はれた秋に ナビオのバーゲンで 夕刊をとりにでたそとは 情景 Ⅱ みずのいろ かれいらいすに雨がふる …

満州唱歌よ、もう一度  喜多由浩

2003年11月、産経新聞ニュースサービスから刊行された喜多由浩による満州唱歌取材ルポ。装幀は、新昭彦(ツーフィッシュ)、装画は加藤千香子、図版作成は、パルス・クリエイティブハウス、写真は、日本近代音楽館、産経新聞社等。CD付録。 「待ちぼうけ」や「…

クレヨンの屑 有我祥吉詩集

1983年9月、黒詩社から刊行された有我祥吉の第3詩集。装幀・カットはありがはじめ。 この詩集のⅠとⅡの作品は、ほぼこの十年間に書いたものである。Ⅰには、死んだ子について書いた作品をおさめた。生れてきた双子のうち、一人は千四百キログラムの未熟児で、…

櫂・連詩 櫂同人 茨木のり子 大岡信 川崎洋 岸田衿子 谷川俊太郎 友竹辰 中江俊夫 水尾比呂志 吉野弘

1979年6月、思潮社から刊行された櫂同人による連詩。画像は帯欠。 目次 第一回 截り墜つ浅葱幕の巻 第二回 迅速の巻 第三回 珊瑚樹の巻 執筆記録 第四回 鳥居坂の巻 乾 坤 第五回 雁来紅の巻 天 地 第六回 夢灼けの巻 執筆記録 第七回 アイウエオの母の巻 第…

動物詩集 山本政一詩集

1968年3月、東京出版センターから刊行された山本政一(1929~)の第1詩集。 たいへんな詩集の序をひきうけてしまった。たくさんの詩の言葉が、前後左右をふりかえるひまもなく、一時に飛びこんできて、ぼくの頭がまるでマンドリンのように鳴り出すしまったの…

街の女マギー クレイン/大橋健三郎

1957年6月、研究社出版から刊行されたスティーヴン・クレインの小説。翻訳は大橋健三郎。 目次 街の女マギー 怪物 勇者の秘密 花嫁イエロースカイに到来 訳者註解説 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

ヨット船上の殺人 C・P・スノウ/桜井益雄

1967年12月、弘文堂新社から刊行されたC・P・スノウのミステリー小説。翻訳は桜井益雄。画像は新装版再版。元版は1964年刊。 「ヨット船上の殺人」はわたしの最初に出版された小説であった。わたしは二一歳の時、地方大学の若い男女のことについて作品を書い…

少年の日 渡辺隆美子詩集

1973年12月、青磁社から刊行された渡辺隆美子の第1詩集。カバーは堀内雅博。 目次 指 都会のユウウツ 黒いビラ ソフトボールチーム やせた少年 梅雨 まるで石ころのように 夜明け よどみ ヨッパライ 指 老人の歩いている街 東横線 夕方 落雷 地下鉄 屍 さっ…

背後の時計 新延拳詩集

2011年9月、書肆山田から刊行された新延拳の第7詩集。装幀は亜令。装画は森雅代。付録栞は岡井隆「新延拳さんの『神話の切れ端』解読」。 目次 神話の切れ端 風 見つけた 届くかな」 よみなさい すぐに 一本の線を お願い 悲しみの賞味期限 旅立ちは夕暮れが…

雲を飼う 新延拳詩集

2005年10月、思潮社から刊行された新延拳の第6詩集。扉写真はアンリ・カルティエ=ブレッソン。 目次 ひとつの陳述 雲を飼う 新宿発アルタミラ直行メトロ 裏声で急きたてるもの わが詩は 消えた矢印 甘やかな 妄想を千切って 空間の歪み 自分を消す呪文 ここ…