1985年8月、思潮社から刊行された筏丸けいこ(1950~)の第1詩集。表紙は、築地仁(1947~)によって撮られたポール・クレー『憑かれている少女』、装幀は菊地信義(1943~)。付録は『再婚譚とめさん』手帖。「女ターザンの(詩的)名器」(藤井貞和)、「魚屋のケイコチャンと乾物屋の正チャン」(ねじめ正一)、非詩的健康日記(筏丸けいこ)。第22回現代詩手帖賞受賞。
この二年間、詩を書きながら笑いつづけた。意図しないことばの誕生に頬ずりするほどの喜びをかんじた。つい笑ってしまうような、けらけら大笑いするような動き方をする感情がわたしは一番好きである。快楽号筏丸の出帆、万歳!
目次
Ⅰ
- 女中の困難
- キッチンレッスル
- マダム前夜祭
- 再婚譚とめさん
- お山の大将
- 梅狩り記
- 感傷! 同窓会
- ピンポンショー
Ⅱ
- 幻の子供たち
- 小僧のチャック
- ものいう敬語
- あした正常位
- 墓参
- 虫の跳躍
- 誕生日
- 心中
- 腸管
Ⅲ
- 鎖
- 朝
- ひとさらい
- 石亭へ
- もとは豚
- おみおつけ
- ここ
- 蛆化の性