2003年6月、花神社から刊行された石井八重子の随筆集。装幀は熊谷博人。
『しっぽ』、『くしゃみ』に続いての『けんけん』、これは自分でも全く自信のない文章ばかりだが、また、やさしい友人に、少しでも出しておいたほうがいいと言われ、それに甘えることにした。
やっぱり殆どが山岳会の会誌への投稿のものばかり。途中で、姉の入院と死。自分の体調も崩れた。旅行記が面白いネと言ってくれた詩人も亡くなった。山へも登れなくなり、海外旅行もままならなくなってしまい、やはりこの辺で締め括った方がいいような気がした。(「売り家と唐様で書く三代目」より)
目次
- ポカリスエット
- 桃ちゃん
- おしん
- 樽はそのまま
- 北海道あちこち
- 荒れてしまった鎌倉通
- 風船
- 私は二黒
- 引きちぎり引きちぎりして食べたお餅
- 草野心平さんの思い出
- ある日の東京駅
- はじまりのころ
- ダンディな熊田さん
- 花火(1)(2)
- ドンと花火だ
- いなくなった桃ちゃん
- やすらもも
- ふるさとのやまのゆうやけ
- 山から贈られた人々
- 同期の桜が散った
- レタスを洗った堰(せんぎ)の水
- がんばって
- 東京女子医大の木村先生
- 看護婦さん
- 松戸自主夜間中学校の皆様へ
- 姉の山登り
- 姉の旅行
- まさかのとき
- 柿のはなし
- 水の減る茶碗
- 花桃や
- 好きなもの
- 住吉踊り
- 裕子さんのこと、少し
- 転移
- 吉原さんのこと
- 吉原幸子さんの追悼公演会
- 旧徳山村のおばあちゃん
売り家と唐様で書く三代目