1967年12月、埴輪から刊行された滝口雅子(1918~2002)の第4詩集。著者は朝鮮京城生まれ、刊行時の職業は国会図書館司書。
詩集「見る」は「蒼い馬」「鋼鉄の足」「窓ひらく」に続く私の第四詩集です。一冊の詩集を出したあとは休息に似た感情が今まではありました。今度は仕事は之からという気がしています。日常、疑問に思うことばかりで、そこから詩をまとめていく困難は増しています。
一見しては平明その内部に、言葉の透明な厚い層を持つ作品、読むこころを扇子をひらくようにひらく作品を愛し、自分にも求めています。
(「あとがき」より)
目次
- 花のように笑う
- 春の羞恥
- 驟雨
- 悲しみの数
- 見る
- 夜に
- さるすべり
- 地蔵になった室生犀星
- 旅立ち――三好達治氏に
- 本当に
- 自分
- 詩を書くものは
- 日常
- 星座
- ある シュプレヒコール
- 青春と大きなパセリ
- ひとりの夏
- 現代退屈論
- 魚
- 千年ののちに
- 日記
- 生命のかげ
- 未来
あとがき