1972年9月、詩学社から刊行された北森彩子(1927~)の第2詩集。著者は中野区生まれ、刊行時の住所は仙台市上杉。
㐧一詩集を出してからちょうど十年たった。その間、一時、詩詩を書くのをやめようかと思ったこともあった。㐧二詩集がこんなに遅れたのは一つにはそのためである。ここには大体過去十年間の作品を収めたが、㐧一詩集に入れなかったものもあり、並べ方は必ずしも制作順・発表順ではない。
今度詩集を出すにあたって、自分の中なるニヒリズム・自己否定の魔に打ち克つことがいかに困難であるかを改めて痛感した。この戦いはこれからも続くことと思うがともあれ、一書を上梓する運びとなって、多少の感慨無きを得ない。
この詩集の出版を快くお引き受け下さった嵯峨信之先生に心からお礼申上げたいと思う。また、仙台の「方」の会の皆さんに深く感謝の意を表するものである。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 冬の夕べ
- 鉱山へ!
- 橋を焼く
- 船出
- その時 地球は……
- いきばがなくて
- ある時は手を携えて
- いたずら
- ふたり
Ⅱ
- 埋もれた画集から
- <Ⅰ>春
- <Ⅱ> 王女
- <Ⅲ>"巌間の処女”のためのデッサン
- <Ⅳ> ラファエル前派風の銅版挿絵
- <Ⅴ>三枚のパネル
- <Ⅵ>Vita nova
- 前方からの記憶
- <Ⅰ>風が
Ⅲ
- 郭公よ
- 白夜
- 春
- 影
- 小路
- 流刑地で
- でも どうしても
- 出発
- 二十年
- 城山にて
- Qu'est-ce que c'est?
あとがき