2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

闇に浮かぶ 河内信弘詩集

1980年12月、笠間書院から刊行された河内信弘の詩集。 目次 序 鷲見透玄 四歳の詩魂 想い出その一 その二 その三 その四 その五 想い出 一つのまとめ 懐かしき友へ 過去 父もそうなのか 拝火の秘儀は知らずとも 落日 深見の浜 白根の山々 過去の幻影か 夜に…

遠い旅 齋藤怘詩集

1994年5月、私家版として刊行された齋藤怘の第7詩集。著者自装。 第五詩集『暗い海』を纏めてから十年。その間定年を迎え、一〇三歳の母を送った。詩に親しんで五十年。私は未だに戦争の傷痕を引きずっている。ソウル生れの私は、考え方や生活態度がストレー…

処女歌集の風景――戦後派歌人の総展望 三枝昂之・田島邦彦編

1987年2月、ながらみ書房から刊行された歌人アンソロジー。編者は三枝昂之と田島邦彦。 目次 三枝昂之――序/時代の挑発性として 河野裕子――森のやうに獣のやうに 永井陽子――葦牙 吉沢あけみ――うさぎにしかなれない 大林明彦――きみはねむれるか 三枝浩樹――朝の…

亀の歌 和田徹三詩集

1996年7月、沖積舎から刊行された和田徹三の詩集。装画は斎鹿逸郎、装幀は戸田ヒロコ。 目次 島の春 朝と哲学 島の夏 昼と雑踏 島の秋 夜と空無 島の冬 後書 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

暗い海 齋藤怘詩集

1984年5月、詩学社から刊行された齋藤怘の第6詩集。装幀は齋藤求。 鮭は生れた川に帰って来る。候鳥は同じ湖に渡って来る。漢江が洋々と広野を洗うソウルに生れ、人格形成期の大半ををそこで過し、多くの友を残して来た私が、今なおその土地にひかれるのは間…

打ち捨てられた雨傘 野村尚志詩集

2009年10月、私家版として刊行された野村尚志の詩集。 この詩集に収めた詩は2004年春から2009年夏にかけて書かれた。思い返してみると、私は日常の事物や人を描きながら、無を目指して詩に向かい合っていたと言えるだろう。無こそが、すべてのものを平等にす…

不明の花 塔和子詩集

1989年6月、海風社から刊行された塔和子の詩集。装幀は高橋啓二。 目次 陽春 不明の花 沼 音 彼方に 人の林で 食虫植物 かざしたものは 歯車 瓶 食事 不確かな目 優しい鬼 フイルム 手負いの動物 鳥 風景 向こうから来るもの 本 あちら どこからも 役割 銃口…

影ふみ 齋藤怘詩集

1981年5月、詩学社から刊行された斉藤怘の第5詩集。装幀は齋藤求。 掛け算の九九をそらんじながら、友達と道草をくっていた学校の帰り道、雨あがりの凛(にわたずみ)に、白い入道雲が浮かんでいた。「あそび」とは私にとって一体何であったのだろう。意味の…

大衆明治史 菊池寛 國民版

1942年10月、汎洋社から刊行された菊池寛による明治史物語。 目次 廢藩置縣 征韓論決裂 マリア・ルーズ號事件 西南戰爭 十四年の政變 自由黨と改進黨 國軍の建設 憲法發布 大隈と條約改正 日淸戰爭前記 陸奧外交の功罪 三國干渉 川上操六と師團增設 北淸事變…

硫黄 丹野茂詩集

1964年3月、街の会から刊行された丹野茂の詩集。装幀は布施哲太郎。 わたくしが詩に関心をもったのは、郷土が生んだすぐれた詩人、土谷麓氏を知ってからである。当時のわたくしは、十八才の少年だった。まずしい農家の、そしてなかば植木職でもあった家の、…

石墨草筆 齋藤怘詩集

1977年10月、国文社から刊行された齋藤怘(マモル)の第4詩集。装幀・絵は斎藤求、題字は粒来哲蔵。 詩集を編むたびに私は心のたかぶりをおぼえて来たが、今はただ淡々として、父の霊前にこの詩集を捧げる。 父にまつわる作品を、私は幾度か書こうとしたが、…

泉を求めて 田村隆一対話集

1974年12月、毎日新聞社から刊行された田村隆一の対談集。装幀は安東澄。 目次 文明はエロス 金子光晴 詩と散文のありか 大岡昇平 城壁のない島 安岡章太郎 湧き水について 吉行淳之介 飲む 浦山桐郎 諸君、ユーモア精神に心せよ 生島治郎 都市空間の変容 広…

氷河 川村洋一詩集

1958年1月、的場書房から刊行された川村洋一の第1詩集。 未完成と思われる完成 川村洋一は、少年の姿でぼく等のグループにはいつて来てから、ながい月日のあいだ、いまだに少年の姿のままでいる詩人である。彼はずつと、無口でハニカミヤのようにふるまつた…

詩の朗読 その由来・理論・実際 照井瓔三

1936年6月、白水社から刊行された照井瓔三による詩朗読の解説書。 詩の言葉には冪がある。それ故わたしの持論としては詩の最善の鑑賞法は默讀にある。或は一行を讀みかへし、或は數行を一度に讀む、 冪根がその間に展開する。書かれた言葉の並列だけしか讀み…

後生車 齋藤怘詩集

1974年6月、無限から刊行された齋藤怘の第3詩集。題字は村野四郎、絵は齋藤求。 目次 化野 後生車 梵鐘 客佛 如意輪童女 百萬遍 骨佛 越の寺 馬頭観音 不生 寂静 絵本 賓頭廬 阿修羅 有執 願 班 日のかげ 橋 褐色の絵 時の転位(あとがきにかえて) 関連リン…

詩人の旅 田村隆一

1971年10月、PHP研究所から刊行された田村隆一のエッセイ集。装幀は亀海昌次。 目次 隠岐 若狭――小浜 越前――越前町・三国町 伊那――飯田・川治温泉 鹿児島 奥津 越後――新潟 佐久――小梅線 東京――浅草 京都 沖縄 ぼくのひとり旅論 NDLで検索Amazonで検索日本の…

未知なる知者よ 塔和子詩集

1988年6月、海風社から刊行された塔和子の詩集。装幀は高橋啓二。 目次 流れの中で 金魚 祭典 ガラスの顔 鯛 そこにいるとき 花 行く 終わったものから 淡雪 魚 かすかな声を 花瓶 虫 罠 人の谷間で 汽笛 枷 胸の泉に ちょっぴり光って ひそひそと言葉を あ…

葬列 齋藤怘詩集

1969年9月、彼方詩社から刊行された齋藤怘(マモル)の第2詩集。装幀・装画は斎藤求。 少年の頃、私は毎日漢江の河原に立っていた。大河を下る筏のうえから、夕餉をかしぐほそい煙がただよい、流れをこえてその国の歌がきこえて来た。 漢江は京城の南をゆっ…

娘を売る町 神崎清

1952年1月、新興出版社から刊行された神崎清のノンフィクション。装幀は岡村夫二。 目次 口絵写真 はしがき I 教育と社会環境 池上特飮街追放 この母の力 山中部落の子どもを救え II 少女の人身売買 本木事件調査報告 娘を売る町 売られた娘の表情 芸者に売…

夕暮の時はよい時 筧槇二詩集

1999年5月、山脈文庫から刊行された筧槇二(1930~2008)の詩集。 目次 観梅 Oh God! ぢゃあね 戦争やってるわけでもないのに よこすか・晴天 少女の記憶 驟雨 孤影――嵯峨信之氏に 笑ふ眠る 追悼・櫻 含み笑ひの魅惑 介護について――または、夕暮の時はよい時…

島の冬 本間容子詩集

1994年8月、詩学社から刊行された本間容子の第2詩集。装画は本間要一郎。 冬のことである。わたしが六歳で、弟は四歳だった。でも、わたしはまだ小学校へ上っていない。 ある日、村に住んでいる祖父が、用事があって、町へ出て来た。おそい「ひる飯」をうち…

松本たかし 松本たかし句集

1935年12月、欅発行所から刊行された松本たかしの句集。画像は函欠本。 この集に収録した七百五十餘句は、大正十三年頃から、昭和八年初夏までに作られたものである。ホトゝギス雑詠、各種の句會その他で虚子先生の選を經た、千句餘りの中からそれだけ抽出し…

鯖のやうな男 筧槇二詩集

1994年10月、ワニ・プロダクションから刊行された筧槇二(1930~2008)の詩集。装幀は直井和夫。 目次 敬礼ッ 詩人 朝露 食欲の秋 ! 老兵の敗北 舌長鎧の顚末 ツン子の青春 新たなる銃後 ドリーム・アナリシス 餌について 裏の顔 産卵 なぜだ? 美しい蛾 メ…

ワイルド全詩 日夏耿之介訳 創元社版

1950年11月、創元社から刊行されたオスカー・ワイルドの詩集。翻訳は日夏耿之介。 目次 ワイルド全詩敍 ラヹンナ(一八七八) 詩集(一八八一) 自由女神 エロオスの花園 奇しき玫瑰花 イティスの歌 莬蕟 ハルミデエス 黃金の華 劇場の印象 パンテア 第四樂…

久保田万太郎回想

1964年12月、中央公論社から刊行された久保田万太郎の回想集。編者は佐藤朔、池田弥三郎、白井浩司。 本書は、はじめ、「久保田万太郎追悼号」として、雑誌「三田文学」の、復刊第一号とする計画のもとに、編集が進められた。従って、それは、休刊以後も存続…

ビルマ戦記 筧槇二詩集

1989年12月、山脈文庫から刊行された筧槇二(1930~2008)の詩集。表紙カットは岩佐なを「犬神の儀礼」。 目次 出陣・ビルマへ 歩兵第百二十八連隊の主な戦闘地区 祖国 マンダレーへ 渡河 モール付近の戦闘―ウインゲート空挺部隊 緒戦 ホーピンへ ナムクイン…

原点が存在する 谷川雁

1963年7月、現代思潮社から刊行された谷川雁の評論集。装幀は粟津潔。 八宝菜のようなこの本の再版が、亀裂の五年間をへたいまの読者に何をもたらすか、私にはほとんど測定しがたい。「原点」という極微の観念を定立しなければ、この世との先験的な関係に刃…

露のきらめき――昭和期の文人たち 眞鍋呉夫

1998年11月、KSS出版から刊行された眞鍋呉夫の評論集。装幀は司修。 目次 Ⅰ 光の薪 矢山哲治 最後のソネット 矢山哲治 つかのまの春 阿川弘之 兵ヲ語ラズ 阿川弘之 「こをろ」の頃 島尾敏雄 猫の墓が持ちあがる 島尾敏雄 四十一年目の出撃 島尾敏雄 ゆめの芒…

村雨橋 筧槇二詩集

2004年8月、山脈文庫から刊行された筧槇二(1930~2008)の詩集。 目次 Good luck 電車と少女 名残酒なり 同窓会 花だより 散歩道―大津海岸 幻覚 化身―伴勇氏に そんなもん 名誉 颯々 毅然たり 交替 お早う 新年 笏 詩人 悪魔のリフレイン 帰天 深夜の温泉―…

影の越境をめぐって 谷川雁

1963年6月、現代思潮社から刊行された谷川雁の評論集。 目次Ⅰ 下向するシンボルを インターナショナルの根 不可視の党のために 民主集中制の対極を 越境された労働運動 権力止揚の回廊 地方―意識空間として 筑豊炭田への弔辞 Ⅱ 骨折前後 「サークル村」始末…