打ち捨てられた雨傘 野村尚志詩集

f:id:bookface:20190722161356j:plain

 2009年10月、私家版として刊行された野村尚志の詩集。

 

 この詩集に収めた詩は2004年春から2009年夏にかけて書かれた。思い返してみると、私は日常の事物や人を描きながら、無を目指して詩に向かい合っていたと言えるだろう。無こそが、すべてのものを平等にするという考えが私にはあった。しかしそれでは現実的に何も変わらないばかりか、私にさえ何の変化ももたらさない。これは私を強い無力感におとしいれるのだった。
 私は詩を書く意味がつかめなくなり、混乱し模索を始めた。それが次に発行する詩集「私の在り処」だ。あわせて読んでいただけたらと思う。表紙の写真は私が撮影したもの。タイトルは「打ち捨てられた雨傘」。
(「あとがき」より)

 

 

目次

  • 紅梅の鳥
  • わきみず
  • 雨水を溜めた雨傘
  • 三月
  • 井戸
  • 十五、六年,
  • 雨滴
  • 雷鳴
  • 引越し
  • 海まで
  • 十二月
  • 隙間
  • ぶちの猫
  • 落ちない実
  • 内側と外側
  • 店と客との関係
  • 打ち捨てられた雨傘
  • 寒暖
  • 冬の樹
  • 三角
  • 表情
  • 傘を窄めた
  • 段差
  • 判子
  • 川原
  • 切株
  • 落ちた物
  • 水仙
  • 残った水
  • 光の筋
  • 駐車場の広がり
  • 笑う顔
  • 音無し
  • まだ開かれていない雨傘

あとがき


日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索