2019-08-09から1日間の記事一覧

打ち捨てられた雨傘 野村尚志詩集

2009年10月、私家版として刊行された野村尚志の詩集。 この詩集に収めた詩は2004年春から2009年夏にかけて書かれた。思い返してみると、私は日常の事物や人を描きながら、無を目指して詩に向かい合っていたと言えるだろう。無こそが、すべてのものを平等にす…

不明の花 塔和子詩集

1989年6月、海風社から刊行された塔和子の詩集。装幀は高橋啓二。 目次 陽春 不明の花 沼 音 彼方に 人の林で 食虫植物 かざしたものは 歯車 瓶 食事 不確かな目 優しい鬼 フイルム 手負いの動物 鳥 風景 向こうから来るもの 本 あちら どこからも 役割 銃口…

影ふみ 齋藤怘詩集

1981年5月、詩学社から刊行された斉藤怘の第5詩集。装幀は齋藤求。 掛け算の九九をそらんじながら、友達と道草をくっていた学校の帰り道、雨あがりの凛(にわたずみ)に、白い入道雲が浮かんでいた。「あそび」とは私にとって一体何であったのだろう。意味の…