1976年3月、書肆山田から刊行された飯島耕一(1930~2013)の第9詩集。装幀は吉岡実。
・一九五六年から六六年にいたる十年間の詩を一冊にまとめた。ぼくの二十代半ばから三十代半ばにかけての作品のほぼすべてにあたる。
・この詩集の前に『他人の空』『わが母音』、近刊の『一九五四、五年詩集』(湯川書房)があり、この詩集にすぐひきつづくものとして『夜あけ一時間前の五つの詩・他』と『私有制にかんするエスキス』がある。この時期の詩はすでにいろいろなかたちで公刊されたが、一括されて単行詩集としてまとめられるのはこれがはじめてである。
・また五九年から六二年まで、ぼくは清岡卓行、吉岡実、大岡信、岩田宏とともに「鰐」同人を作っていた。その記念に大岡との対話「『鰐』とその周辺」をも収録した。(「覚え書」より)
目次
Ⅰ 何処へ
- 何処へ
- 夕陽のなかで
- サンダウン
- 匙
- われわれにとつてのことば
- われわれにとつてのことば
- 一九五六年十月十一月
- 一九五九年十二月
- アメリカ交響曲
- 娘たちそれとも素敵なくらし
- ある夕景
- 夕陽を眺めに
- 詩集『何処へ』解説――清岡卓行
Ⅱ 騒がしい鎮魂歌
- 騒がしい鎮魂歌
- ひとに
- ひとに
- 冬の朝
Ⅲ ウイリアム・ブレイクを憶い出す詩
覚え書