2011年11月、土曜美術社出版販売から刊行された花潜幸(1950~)の第1詩集。
春の大きな震災の後、私はしばらく詩を書くことができなかった。一月ほどたって、ようやく気を取り直し、これkらはもっと人に伝えられるものを書こうと散文詩の形式を選んだ。ここに載せたものは、それから二月足らずの間に集中的に書いた五十余りの作品の中から選んだ四十作に、逝ってしまった子どもの夢への追悼のための詩、一編を加えたものである。(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 谷を探しに
- ふたご
- 象のいた日
- 薔薇の記憶
- 碑を探す
- 迷い道
- なにか、なにか、
- 満月の下
- 集合写真
- 北駅
- 花の咲く方向
- 劇場
- 船上の生贄たち
Ⅱ
- 薔薇が咲くための口実
- ねこの気温
- かげ
- 蜘蛛の月
- 回転するマドンナ
- 死にものぐるい
- めまい
- 補講授業
- 解放された言葉
- あなたは誰
- 色がうまくいかない
- 蜜蜂とアリア
- 禁止されたツアー
- 鳥の操縦
Ⅲ
- 他者の記憶
- 星を守る
- 戦闘的な薔薇
- 飲んだり吐いたり
- 夏の誤差
- 進化はどこまで
- 紫陽花
- 竜の爪痕
- 蟻の宇宙
- 改作
- 空を指差す
- ポアンカレ予想
- 母は二度呼ぶ
Ⅳ
- 足あと
あとがき