1980年3月、彌生書房から刊行された阿部保(1910~2007)の第4詩集。
詩集「流水」は私の第三詩集「蝶」以後に書いた作品をあつめたものである。主に「詩学」、「北大季刊」、「札幌文学」、「北海道新聞」などに発表したものを収めた。
この詩集は私の北海道詩集である。ながく住み慣れた札幌から武蔵野に帰ってきたが、私の北方への郷愁は消えない。この詩集は北海道の白く薫る大地、春の原野に咲く黄金の花、リラの燃える夢を歌ったものである。
百田宗治氏主宰の「椎の木」に私が詩を書きはじめてから約五十年になる。
詩は生命の写しである。
最初の方に入れた詩、「紫夫人」は昭和二十三年、最後に入れた「夜の庭」は昭和四十八年に書いたものである。
(「あとがき」より)
目次
・流氷
- ある女に
- 紫夫人
- 雪の噴泉
- 鐘の音の蔭に
- 流氷
- 雪の上
- 暗い山脈
- 夏の幻
- 緑の曠野に放て
- 草の上
- 重い霧
- 鶴の歌
- 雪の夕暮
・夜の庭
- リラの夜
- 火の夢
- 夜の庭
- 鷗
- 艶な燭台
- 天からふる雪
- 蝶
- 白楊のうた
- 夕暮
- 赤い花
- 六月のうた
- 薔薇の時
・石狩河口
あとがき
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