1975年6月、草原社から刊行された今岡弘の第4詩集。装幀は土方久功。草原叢書第1集。刊行時の著者の住所は練馬区下石神井。
本詩集は、昭和四十六年から今日迄、約四年間に於ける作品の中から、まとめたもので、私としての、第四詩集になるわけである。作品の配列は、多少の前後はあるが、凡そ、制作順に、順次並べた。
この四年間の足どりは、誠に平凡な日々であり、世相の変転にも拘わらず、大きな曲折もなく、詩の歩みも、また、それに応えるかのように凡庸に過ぎた。
今年は、私としては、古稀を迎えることになる。川路柳虹師の下で、詩を初めてから、五十年になる。この間、哀歓とともに、詩は私にとってよき心の伴侶であった。
年を重ねるとともに、いかにも、懐旧の念は、日増しにその重みを加えてくるように思う。
(「あとがき」より)
目次
・山茶花
- 山茶花
- 石
- 月
- 春眠
- 雨冷え
- 蜘蛛
- 石畳
- 黄昏
- 小川の月
- 涸れた墓石
- 燃える朝霧
- 朽ちた橋
・昏れる港
- 昏れる港
- 橋の秋
- 五月の空
- 寝顔
- 醒めぬ夢
- 雪の日
- 遠い歳月
- 崩れる砂丘
- 沼の孤影
- 秋疾く
- 沼べりにて
・北の窓
- 谿川
- 梅もどき
- 薔薇
- 晩春
- 早春
- 雨宿り
- 初冬
- 野径
- 並木道
- 回想
- 北の窓
あとがき