龍詩集 1992

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 1992年12月、龍詩社から刊行されたアンソロジー。装幀は武田肇

 

 「龍詩集一九九二年版」をお手もとにお届けできることを幸いに思います。通巻第十八冊めを迎えることができました。
 九一年版編集後からの同人の活動、特に詩集出版としては、久しく待望されていた芳賀章内が『都市論序論』を出し、そのすぐれた力量を見せ、仲間を安堵させた。続いて年頭に篠崎勝己・篠崎京子の両名が藤本直規・武田肇とともに、アンソロジー『ゆふづつ』を出し、自選の珠玉的作品を発表した。次いで藤庸子が、ひとり実験を続けていた尻とり押韻詩をまとめて詩集『ソネット愛・倦怠その他』を出し、多くの注目を浴びた。
 また諸限道範は近代文芸社の日本詩人文庫の一巻として、自選の『諸隈道範詩集』を出して自己の詩の世界の位置と方向を確認した。
 歳末近くにまた、高島清子が詩集『ベチベル草の谷間』を金敷善由が詩集『花模様のパンッ』を出してそれぞれにその精進の程を示した。
 なお、先年出版した石下典子の『花の裸身』が、平成四年の栃木県現代詩人会新人賞を受けたことも特記されねばならないだろう。
 この外の同人たちも、地味にそれぞれの世界の発展に向かって精進を重ねでいるが、その消息は、この詩集を通してご覧いただきたい。さらにその上、ご鞭撻いただければありがたい。
(「あとがき/大滝清雄」より)

 

 


目次

<詩>

  • 相田謙三 マグダラの狐
  • 阿部正栄 少年探偵团
  • 石下典子 真夏の罪びと
  • 石川宏 時……梅雨 (Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)遁走
  • 加瀬昭 器
  • 金沢星子 そして私は
  • 金敷善由 詩人の家I
  • 菊地啓二 革靴め
  • 木村利行― 栗
  • 幸田和俊 みしらぬ女
  • 斋藤義央 聖なる液
  • 佐久間隆史― エイルランプ
  • 篠崎勝己― イマージェ
  • 杉山満夫 土地と樹木
  • 鈴木正和― 暖冬寒明け
  • 高島清子 マリアの鏡 鴇 フルーツ降る
  • 長久保鐘多 アフリカの角
  • 野沢善子 沼にまよいて
  • 芳賀章内 手・曇天に・掌
  • 藤庸子 五月 冬空 天気雨 少年の部屋
  • 星圭之助 春から夏へ
  • 星隆雄 Mの家についての記述の諸断片
  • 真尾倍弘 岐路
  • 丸地守 傷の花
  • 村山秀子— うさぎ家
  • 森戸克美 SONG
  • 諸隈道範% 瞑想のペンタトレイン―五行連詩
  • 山田野理夫 萩原朔太郎の古徹
  • 大滝清雄 雨 降る 森の思想

<エッセイ>

執筆者略歴
あとがき


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