2020-01-01から1年間の記事一覧

えれじい 木村迪夫詩集

1987年8月、書肆犀から刊行された木村迪夫(1935~)の第9詩集。編集・装幀は岩井哲。 「二行詩」に入らないか、と推めてくれたのは、むらの女友だった。中学校の同級生であった彼女は、詩はかかなかったが、ぼくには"詩"を書くことを推めてくれた。ぼくには…

ある微光 荒賀憲雄詩集

1975年4月、文童社から刊行された荒賀憲雄(1932~)の第1詩集。京都市生まれ。刊行時の住所は京都府城陽市。「RAVINE」編集同人。 四十面さげてこんな甘い詩を、人様にお目にかけねばならぬということは……けっして楽しいこととは思えない。 しかし、家庭を…

古書ハンター 稲毛恍

2003年2月、青弓社から刊行された稲毛恍(1926~)の古本小説。装画は林哲夫、装幀は鈴木堯と佐々木由美。著者は横浜市生まれ、刊行時の職業は無職。 目次 古書ハンター 古書仲間 嗤い声 秘画 掌篇 鎌倉 饅頭本 運 けむり 朝のプラットホーム 北辺の旅 NDLで…

陽の扉 菅原克己詩集

1966年3月、東京出版センターから刊行された菅原克己(1911~1988)の第3詩集。刊行時の住所は東京都調布市。 この詩集は、前詩集『日の底』以後現在にいたる作品のなかから、約三分の一ほどを収録したものである。これでぼくの三冊目の詩集ができ上ったわけ…

失業都市東京 徳永直

1930年12月、中央公論社から刊行された徳永直(1899~1958)のプロレタリア小説。「太陽のない街」の続編。 目次 一 社會民主々義 1 T・ワン、T・ツウ、T・スリ 2 奴隷に正義はない 3 退却と前進と 4 社會民主々義者 二 熱火盡く 1 誤算 2 解決條項 三 失業…

別所直樹詩集 1944―1951

1952年3月、詩行動社から刊行された別所直樹(1921~1992)の第1詩集。装画・装幀は辻一。著者は宮崎県生まれ。太宰治の弟子。 目次 跋 宮崎譲・第一部(十四篇) 原始 十二月 陸橋の上で つらなる夜の錘の下で 君よ鉄を掘り返すな 腐臭 その音はまだ続いて…

街の灯 火野葦平

1952年9月、大日本雄弁会講談社から刊行された火野葦平(1907~1960)の長編小説。表紙は沖縄繊物裂地を製版印刷したもの。傑作長篇小説全集第13。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

陶器師の手に 片瀬博子詩集

1972年1月、詩学社から刊行された片瀬博子(1929~2006)の第4詩集。著者は福岡生まれ。刊行時の住所は福岡市。 目次 Ⅰ 方舟 失われた血 皆既食 共有者 秤り 人工呼吸 星 奇妙な家族 幻の大地 熱情 母 Ⅱ ポンペイ寸感 イスラエルに向って ディアスポラ アシ…

街上 高安国世歌集

1962年10月、白玉書房から刊行された高安国世(1913~1984)の歌集。 自己の真実を見きわめることは、まことにむずかしい。一九五七年(昭和三十二年)十二月にドイツから帰国して今日にいたるまで、私はたびたび自己の真実を見きわめるべき契機に遭遇した。…

五つの城 室生犀星

1948年10月、東西社から刊行された室生犀星(1889~1962)の童話集。装幀は小穴隆一、挿画は鈴木壽雄。日本童話選・中級。 目次 ねずみの兄弟 二人のおばさん おにぎり 蟻の町 鮎吉、船吉、春吉 あとがき 磯部忠雄 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索…

慟哭の歌人・明石海人とその周辺 松村好之

1980年6月、小峯書店から刊行された松村好之(1911~)による明石海人の評伝。装幀は島村晴雨。著者は香川県大川郡生まれ。1926年、15歳でハンセン病に罹患、明石楽生病院に入院。病院閉鎖に伴い、20歳で愛生園に転園。 目次 序 しのびよる病魔 見しらぬ里へ…

神国 室生犀星

1943年12月、全國書房から刊行された室生犀星(1889~1962)の随筆集。著者自装。 目次 序 借景 築地 詩人の別れ 下界 若い牛 蟻と象 齒の世界 壕の中 向日葵 旅路 神國 初冬 書物 或夜 魚と鳥 胴察 藤村先生 秋聲先生 はるぜみ NDLで検索Amazonで検索日本の…

失われた「文学」を求めて【文芸時評編】 仲俣暁生

2020年10月、つかだま書房から刊行された仲俣暁生の評論集。ブックデザインはミルキィ・イソベ。 目次 はじめに:文学(へ)のリハビリテーション 政治を語る言葉を失った日本の小説 村田沙耶香『コンビニ人間』 崔実『ジニのパズル』 単なる政権批判や反原…

黄の撹乱 池上貞子詩集

1988年8月、詩学社から刊行された池上貞子(1947~)の第1詩集。装画は鯨井和子、装幀は宮下正身。池上は台湾文学者。 何がきっかけだったか忘れましたが、この春からまた集中的に詩を書いています。ふだんは思いたったときに、ぽつぽつと記しておくくらいで…

幼ない記憶 徳永直

1942年8月、桃蹊書房から刊行された徳永直(1899~1959)の短編集。装幀は荒城巌。 偉大なる大東亞戰爭が進行してをり、わが皇軍は海のかなたで日夜戰つてゐる。これはまさに世界史的な聖職である。 そういかさなか、大東亞戰爭勃發以前に書いた諸作品を一冊…

鬼灯貝のうた 池井保詩集

1996年6月、かど創房から刊行された池井保(1928~)の第3詩集。編集、装幀、装画は津田櫓冬。著者は丹後生まれ。刊行時の住所は、京都府竹野郡丹後町。 目次 Ⅰ 山の口明け 山の神 魔除け 浮標の旅 対話 誘惑. 蟷螂(かまきり) オホーツクの海 うみはひろい…

夢の中での日常 島尾敏雄

1956年9月、現代社から刊行された島尾敏雄(1917~1986)の短編小説集。装幀は勝呂忠。第1回戦ご文学賞受賞作品。 この短篇群は人間の夢の部分についての研究と言えなくもないですが、その手法ははなはだしく私小説的です。私はこれらの短篇に自分でもっと期…

オーブの河 苗村吉昭詩集

2005年7月、編集工房ノアから刊行された苗村吉昭(1967~)の第3詩集。第17回富田砕花賞受賞作品。カバー装画は山本浩。著者は滋賀県生まれ。詩誌「砕氷船」編集発行人。刊行時の住所は滋賀県栗東市。 目次 第一章 リ・バース 棺 火葬 骨壷 復活 風 第二章 …

夢の手 高田敏子詩集

1985年11月、花神社から刊行された高田敏子(1914~1989)の第19詩集。装画は横田稔。 目次 白い花 夕陽 貝の名 橋 寒夜 夢の手 閉ざされる窓 秋の海辺 下弦の月 夏実子 耳朶 薔薇 おばあさん 雪の下 道 叔母 まるみ 空を見上げて 時 鳥 夕焼け リスの目 声 …

バース 苗村吉昭詩集

2002年12月、編集工房ノアから刊行された苗村吉昭(1967~)の第2詩集。装幀は森本良成。第5回小野十三郎賞受賞作品。著者は滋賀県生まれ。詩誌「砕氷船」同人。刊行時の住所は滋賀県栗東市。 何となく予感していました。「あとがき」を書き終えたら、あの子…

青衣の女人 金田弘詩集

2007年3月、湯川書房から刊行された金田弘(1921~2013)の第6詩集。付録栞は、大川内昭爾、中西進、新倉俊一、竹廣龍三、鈴木漠。著者は兵庫県龍野市生まれ、刊行時の住所はたつの市。 平成十八年六月五日には詩集『旅人は待てよ』を上梓した。当時、齢八十…

金山 大鹿卓

1939年7月、春陽堂書店から刊行された大鹿卓(1898~1959)の長編小説。装幀は中川一政。生活文学選集第8巻。画像は裸本。 目次 途上 開墾地を越えて 舊坑 開坑まで 膽振金山 吹雪 舊友 採鑛切羽 越年 札幌の事件 鑛山へ歸る NDLで検索Amazonで検索日本の古…

龍 祝算之介詩集

1951年1月、私家版として刊行された祝算之介の詩集。 この本に収めた作品は、敗戦直後の「龍」より始まり、「島」「河」「風」「面」までの六一編で、制作期間は戦後の約二年半に亙るものである。 これらはすべて一冊ずつの小詩集として、ごく小部數をガリ版…

牛 伊藤永之介

1939年8月、改造社から刊行された伊藤永之介(1903~1959)の短編小説集。装幀は福田豊四郎。画像は裸本。 目次 鱒 鴨 牛 鰊 鶴 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

嵐といふらむ 獅子文六

1956年7月、角川書店から刊行された獅子文六(1893~1969)の長編小説。表紙は高橋忠弥。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

林芙美子全詩集 林芙美子

1966年3月、神無書房から刊行された林芙美子(1903~1951)の全詩集。解説は板垣直子(1896~1977)。林芙美子は評論家の板垣に見出された。 目次 自序 蒼馬を見たり 赤いマリ ランタンの蔭 お釈迦様 帰郷 苦しい唄 疲れた心 (以上「蒼馬を見たり」より) 鯛…

東京温泉 獅子文六

1949年6月、愛翠書房から刊行された獅子文六の長編小説。装幀は清水崑。底本は1940年刊行の新潮社版。 目次 靑雲漠々 夏の朝 ほりだしもの 怪電話 空よりの使者 紅燒鯉魚 けさの秋 繫がれる 禁札 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

夜明けまえ 碓田のぼる歌集

1965年3月、長谷川書房から刊行された碓田のぼる(1928~)の第1歌集。装幀は小林喜巳子。新日本歌人叢書。 この歌集は、私のはじめての歌集である。この歌集におさめられた作品は、すべて雑誌「新日本歌人」に発表して来たものである。作品の配列はほぼ制作…

雑感 劇について 岩田豊雄

1943年4月、道統社から刊行された岩田豊雄(獅子文六)の演劇随筆。装幀は棟方志功。 目次 自序 演劇皆無に對する感想 演劇本質論の檢討 本質論的流行 大劇場小劇場論 「動作」か「言葉」か 畢竟するに 岸田兄への手紙 現代戯曲家總評 日本演劇の將來 戰爭と…

咳きの杙 吉村清貧子句集

1955年4月、私家版として刊行された吉村清貧子(1913~?)の第2句集。金沢出身。吉村まさとしの筆名で詩作も行った。 目次 骨の髄は乾枯びて 昇天祭 反応帯 喘ぎと肉眼 胸板と骨と またも卑小なる書記 萎縮眼 坩堝のなかの生 水神 霧の血の影に 風騒 大陸と…