ある微光 荒賀憲雄詩集

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 1975年4月、文童社から刊行された荒賀憲雄(1932~)の第1詩集。京都市生まれ。刊行時の住所は京都府城陽市。「RAVINE」編集同人。

 

 四十面さげてこんな甘い詩を、人様にお目にかけねばならぬということは……けっして楽しいこととは思えない。
 しかし、家庭を持って以来この十四年程のあいだ、こそこそと夜中に起きては書き溜めたものを、まとめて一気に吐き出して、ほんとうに、掛け値なしに、心からホッとした。この排泄がなければ、自家中毒の結果へんな醜い物体に変化したまま、わたしはわたしの後半生をさまようだろう。Ⅰに収めた作品は、丹後赴任時代のもので、一応Ⅱときりはなしてまとめてみた。
 「ある微光」という題名は天野忠先生にお願いしてつけて頂いた。
 内容にくらべまことに過ぎた題である。しかしせめて微光でありたいと願うわたしにとって、まことにふさわしい題である。先生はじめ絶えず詩集はまだかと励まし続けて頂いた「流域」の仲間たち、とりわけこちらがうろたえてしまうほど深く読みとった鑑賞をこの貧しい詩集のために寄せてくれたなす・こういち氏、ならびに文童社の山前実治氏ら多くの方々に心からお礼を申し上げたい。
(「あとがき」より)

 

目次

  • 変貌
  • 旅の素描
  •  姫路城
  •  ザッキン「憂鬱」
  •  タナグラ人形に
  • 古典抄
  • (i)かおるふおいす
  • (ii)あすかぼとけに
  • 石と花
  • 1+1≠2ということについて

  • 洛中洛外図絵
  •  夕陽|
  •  水のほとりで
  •  大学
  •  夢
  • 潮騒
  • 空のある日
  • 金魚
  • 家族
  • そしてわたしは
  • 回帰
  • 牧舎にて
  • 四季・娘に

荒賀憲雄の人と作品 なす・こういち
あとがき


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