2020-01-01から1年間の記事一覧

定刻 西中行久詩集

1984年7月、手帖舎から刊行された西中行久の第2詩集。装幀は宮園洋。刊行時の著者の住所は岡山県玉野市。 早いもので、はじめての作品集「歩行幻記」を刊行してから五年が経とうとしている。その間、どう歩いてきたかといったかたちで、歳月のひだを折り込む…

メルヘンをどうぞ 堀暉子詩集

1968年4月、思潮社から刊行された堀暉子(1940~)の第1詩集。著者自装。写真は栗田紘一。著者は神戸生まれ、刊行時の職業は服飾デザイン業。住所は世田谷区新町。 目次 空吹きのトランペット たとえば堕落 ばぶばぶぶおーん ふるる 月なみな恐怖 狩り たと…

まのびしたらいふ 大石和雄詩集

1979年12月、白地社から刊行された大石和雄(1939~)の第1詩集。装幀は人見承門。著者は京都市生まれ、刊行時の住所は京都市上京区七本松。 京都うまれの、京都の住み人である大石和雄さんの詩は、京都の風、花、雨、夕焼けをふくめた暮色といっていいので…

諸民族 高見順

1942年2月、新潮社から刊行された高見順(1907~1965)の短編小説集。装幀は三雲祥之助。 目次 バリーの犬 諸民族 雛段 ププタン悲史 厦門の遙拜式 南海 南方の挿話 日本の靴 午後の庭 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

劇中劇 佃学詩集

1973年4月、母岩社から刊行された佃学(1938~1994)の第2詩集。著者は香川県生まれ、刊行時の住所は東京都中野区弥生町。 本詩集は第一詩集『不眠の草稿』以後、約二年間の作品を集成したものである。その間詩に対してとくに確信を得たというようなことはな…

描寫のうしろに寝てゐられない 高見順

1937年1月、信生社から刊行された高見順(1907~1965)の評論・随筆・小説集。 目次 Ⅰ評論 描寫のうしろに寢てゐられない このモダモダや如何にせん 武裝解除に就いて 現代文學に對する愛情を 一個の人民 非常識の辯 愛憎二ならず 文章展覽會 情痴のこと其の…

少年の日々 田中荘介詩集

2006年2月、編集工房ノアから刊行された田中荘介(1936~)の第2詩集。著者は神戸生まれ、刊行時の職業は神戸常盤短期大学教授。カバーはアントニ・タピエス「gat」、撮影は横山英俊。扉は涌田利之。 わが少年時代を振り返ると、次々に記憶が立ち上ってくる…

春來りなば 堀ひさ子

1947年10月、偕成社から刊行された堀ひさ子の少女小説。挿画は嶺田弘。 目次 船出の日 たゞ独り 花の家にて 台所の王女 ヤッコと佐川さん 家で 公園に來て 妖精の出現 再会 恐怖の一夜 夏休み お化け騒ぎ ヤッコの家 郊外へ 新しい日々 春來りなば 祝いの宴 …

雪 橋閒石句集

1951年5月、白燕発行所から刊行された橋閒石(1903~1992)の第1句集。著者は金沢市十三間町生まれ。刊行時の職業は神戸高等商業学校教授。 雪の中から生れて、雪の懷で大きくなった私は、故鄉を遠く離れてゐると、殊に雪が戀しくてならない。若い頃の思出も…

船長ブラスバオンドの改宗 バアナアド・ショオ/松村みね子

2014年2月、西方猫耳教会から刊行されたバーナード・ショー(1856~1950)の戯曲。翻訳は松村みね子(片山廣子)。表紙は堀内薫「水性感情」。盛林堂ミステリアス文庫。 目次 訳者に 森林太郎、佐佐木信綱 船長ブラスバオンドの改宗 第一幕 第二幕 第三幕 訳…

夜に触わる たかぎたかよし詩集

2001年5月、編集工房ノアから刊行されたたかぎたかよしの第6詩集。表紙は高田節子。刊行時の著者は明石市在住。 なぜ「夜」だったのか。「夜」としたのは人の何事だったのか。母の死にまつわる「夜」を記した発端があり、以後、身辺の六年を連作として書き続…

時間の草 豊原清明詩集

2005年6月、ふたば工房から刊行された豊原清明(1977~)の第3詩集。表紙は広田泰。付録栞は、安水稔和「詩から遠く 詩も近く」。著者は神戸市生まれ。刊行時の住所は神戸市垂水区。 目次 Ⅰ 芽吹く春 ドングリ 緻密な生活 ぼくのやもり――映画「スケアクロウ…

古本愛好家の読書日録 高橋輝次

2020年11月、論創社から刊行された高橋輝次(1946~)の古本エッセイ集。装幀は宗利淳一。 目次 由起しげ子『本の話』他二篇を読む――円地文子の短篇とともに 南天堂喫茶部が出てくる小説を読む――神戸雄一『番人』より 埴谷雄高『酒と戦後派』をめぐって――菊…

小目野 田中荘介詩集

1998年10月、編集工房ノアから刊行された田中荘介(1936~)の第1詩集。装画は田中裕子。著者は神戸生まれ。刊行時の職業は、立命館大学文学部教授。 目次 小目野(おめの) 天目一(あめのまひとつ)神社 根日女(ねひめ) 樟(くすのき)の歌 井戸に消えた…

蘭子の場合 妻木新平

1946年10月、丹頂書房から刊行された妻木新平(1905~1967)の短編小説集。装幀は木村荘八。 目次 上申書 晩春賦 蘭子の場合 夢 追善記 或る生活 威力 春雷 宇太郎さん 弟の話 すみ子 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

牝牛 小山牧子詩集

1962年3月、Vieの会から刊行された小山牧子の第1詩集。レイアウトは小山泰司。刊行時の職業は兼松社員。 小山牧子さんは大阪の本町にある、兼松株式会社に勤めている、BGである。 年令は二十六才。事実、彼女の年令を知ったのは、この詩集がつくられることに…

パスカル冥想録評釋 串田孫一

1947年8月、夏目書店から刊行された串田孫一(1915~2015)によるパスカル解説書。 目次 十八世紀のパスカル 覺書 ヴォルテエルの『評釋』に就いて パスカル『冥想録』評釋 フォントネルの反パスカル論 來世の可能に關するパスカル氏並びにロック氏の論述に…

詩集『神戸市街図』 現代詩神戸研究会編

1986年1月、ジュンク堂書店から刊行されたアンソロジー。監修は足立巻一と小林武雄。編集は現代詩神戸研究会(なかけんじ、中村隆、松尾茂夫、三宅武、和田英子)。写真は神戸新聞社提供、イラスト地図は田中徳喜。 目次 Ⅰ 神戸わが街 青 鈴木漠 詩と真実 亜…

村上昭夫 作品と生涯  ふくしのりゆき

1972年10月、三人会から刊行された、ふくしのりゆきによる詩人・村上昭夫の研究書。刊行時の著者の職業は岩手県立高校教諭。 村上昭夫との付合いは、ずいぶんふるいことだが、先年盛岡へ行ったとき、彼は国立療養所で寝ていた。大坪君や高橋君といっしょに、…

もうひとつの鎮魂歌 渡辺信二詩集

2002年3月、本の風景社から刊行された渡辺信二(1949~)の第6詩集。著者は札幌生まれ、刊行時の職業は立教大学文学部教授。 目次 わが魂へ 夏の思い出 おまえなしに生きる A・R・アモンズにならって 生の必然 クリスマスの橋遊び T・S・エリオットにならっ…

幻の馬 幻の騎手 キャサリン・アン・ポーター/高橋正雄

1980年3月、晶文社から刊行されたキャサリン・アン・ポーター(1890~1980)の作品集。翻訳は高橋正雄、イラストは岩渕慶造。文学のおくりもの27。 目次 死の宿命(さだめ) 幻の馬、幻の騎手 キャサリン・アン・ポーターについて 高橋正雄 NDLで検索Amazon…

新訂増補版 月白の道 丸山豊

1987年11月、創言社から刊行された丸山豊(1915~1989)の従軍記。 戦記『月白の道』初版本の上梓は十七年前である。絶版のまま打ち過ぎたが、今日に至るもしばしば再版への問合せがある。北ビルマや中国雲南の戦場にかかわりをもつ御遺族が、いかに数多いか…

見る 滝口雅子詩集

1967年12月、埴輪から刊行された滝口雅子(1918~2002)の第4詩集。著者は朝鮮京城生まれ、刊行時の職業は国会図書館司書。 詩集「見る」は「蒼い馬」「鋼鉄の足」「窓ひらく」に続く私の第四詩集です。一冊の詩集を出したあとは休息に似た感情が今まではあ…

ガーゼ 池田はるみ歌集

2001年7月、砂子屋書房から刊行された池田はるみ(1948~)の第3歌集。装本は倉本修。 兄姉(きゃうだい)は病み父さんはいよよ老い二上山は晴れてゐますぞ と詠んだ前の歌集から四年がたちました。この歌集は、その後の運命がわたしに襲いかかるのを、棒立…

罠の兎 高村三郎遺稿集

2000年9月、高村三郎を支援する会(境涯社)から刊行された高村三郎(1942~1999)の遺稿集。著者は岩手県生まれ、1966年から大阪文学校講師。 目次 罠の兎 兄の背中 病床句 後記 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

裸のカフェ 横田創

2002年8月、講談社から刊行された横田創(1970~)の短編小説集。カバー写真はホンマタカシ、コラージュはAKAKO、装幀は服部一成。 目次 裸のカフェ 似ていない人 あれから、ずーっと、かい? 亡霊カフェの心得 あとがきにかえて NDLで検索Amazonで検索日本…

花を踏む死者 金沢星子詩集

1975年9月、地球社から刊行された金沢星子(1917~)の第3詩集。装幀は熊谷博人。地球叢書6。著者は神戸生まれ。刊行時の住所は世田谷区奥沢。 金沢星子さんの主題はこの第三詩集で、ようやく死へ向けて、ゆるやかにかたむきはじめたかにみえる。 ここで語ら…

野雀は語る 新居格

1941年7月、青年書房から刊行された新居格(1888~1951)の随筆集。装幀は野間仁根。 目次 市井人の獨語 壺中言 瑣事閑録 或る日に思ふ 在るがままに 青年と新娯樂 莱園の逍遥 モラエスの遺書 人生老い莫し 貧民の叡智 小さな世界 旅する心 旅・講演・時間 …

まぎれ野の 木村迪夫詩集

1990年10月、書肆山田から刊行された木村迪夫(1935~)の第10詩集。装幀は青山杳。著者は山形県上山市牧野生まれ、刊行時も牧野在住。 今年は春さきからどうもおかしい。四月の芽ぶき、開花期は異常に寒く、サクランボの花は思うように咲ききれなかった。プ…

領事館の虫 八尋舜右詩集

1989年7月、花神社から刊行された八尋舜右(1935~)の第1詩集。装画はマッキー・コーダ、装幀は熊谷博人。著者は平壌生まれ。刊行時の職業は朝日新聞社出版局勤務、住所は川崎市宮前区。 折りにふれて詩を書いてきた。詩集を出すよう勧められたこともあるが…