2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

やもり踏む 高木秋尾詩集

1978年10月、青磁社から刊行された高木秋尾(1947~)の第3詩集。表紙は沖空桂太。 上京して六年たった。使い慣れた手拭いを都会風のハンカチに変えてから、あまり自前を使うことがなくなった。どこへ立寄ってもオシボリ、ペーパータオルの類が常備されてい…

恋人 阿部恭久詩集

1987年11月、アベブックスから刊行された阿部恭久(1949~)の第4詩集。装幀は日比野充希子。 目次 地上 急な挨拶 東京 郊外レストラン 祖母がよこした 三代 草ゝ 座談会 どーなるのだろう 今はイバッテルものの 深まり 男子シングルス リュリのガボット 恋人…

神の礫 稲垣瑞雄詩集

2000年2月、思潮社から刊行された稲垣瑞雄(1932~2013)の第3詩集。 ガンを宣告されたのは一九九七年四月、思潮社から第二詩集『海聴け』を出した直後だった。まさか胃の全摘手術に至るとは思ってもいなかった。が、気がつくとぼくは、鯔背ならぬ”胃無し男”…

最果 井本木綿子詩集

1997年2月、私家版として刊行された井本木綿子の詩集。挿画は大石可久也。 目次 仏手柑(ぶっしゅかん) 波涛の果 ニコライ二世 女であること 顔 トランク商人 斧 ドリナの橋 一枚の櫛 炎(えん) 幽谷の欄 負の生涯 阪神・淡路大震災 あの朝に 居る 大震災…

なびけよ河 久納不二子詩集

1998年1月、書肆といから刊行された久納不二子の第1詩集。装幀は高島平。 書き始めた頃、なぜ?と訊かれ、「気がついたら書いてた」と言うと、その友だちはおかしそうに笑った。 詩誌ラ・メールという大きな海に育くまれました。新川和江先生、恩人吉原幸子…

神話の波紋 玻璃と剣 葉山有樹

2008年1月、スパイラル/ワコールアートセンターから刊行された葉山有樹の小説。ブックデザインは古賀義孝。 二〇〇七年、東京の複合文化施設「スパイラル」で行った私の個展を契機として幾つかの出会いがあり、その中でフィンランドでの個展開催が決まりま…

ピノチオ コロディ/大木惇夫

1950年12月、大日本雄弁会講談社から刊行された大木惇夫翻案のピノキオ。原作はコロディ。世界名作童話全集11巻。装幀は恩地孝四郎、表紙・装画は河目悌二。 目次 1 泣いたり わらったりする木ぎれ 2 ゼペットじいさん 3 かけだした木の人形 4 ものいう…

モレルの発明 アドルフォ・ビオイ・カサーレス

1990年9月、書肆風の薔薇から刊行された、ボルヘスの盟友、カサーレス(1914~1999)の幻想小説。翻訳は清水徹と牛島信明。装幀は丸岡一志。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

死の詩人ドウベル 松井好夫

1981年6月、煥乎堂から刊行された松井好夫によるレオン・ドウベルの評伝。 目次 一、生涯 二、詩 三、手紙 四、性格 五、自殺 六、高田博厚氏とレオン・ドウーベル 七、高田博厚氏とボードレール 八、高田博厚氏の彫刻展に寄せて 九、あとがき 十、略年譜 日…

今日のいのち 由起しげ子

1956年10月、現代社から刊行された由起しげ子(1900~1969)の少女小説。装幀は伊原通夫。 目次 招電 水の音 みずうみの風 囚われびと 冷却期間 いずこへ 対決 遮断機 白い海 男たち 荒野の中に 代償 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

ウチニ、カエロウ 立木早詩集

2006年10月、砂子屋書房から刊行された立木早(1950~)の第4詩集。表紙絵は長谷川紀子、装本は倉本修。立木は八木幹夫の弟で下村康臣の友人。 ある7月の蒸した夜、人が3人私の手料理を食べにきた。約束をしてしまったのは自分だが、料理の一つも知らずに半…

末裔 坊城俊民

1949年2月、草美社から刊行された坊城俊民(1917~1990)の長編小説。装幀は細木茂子。1994年8月、集英社から復刻された。 「末裔」の創作を志したのは、私の少年時代である。その頃知った輝かしい詩魂の持主は三島由紀夫だった。爾来十年間、彼とは詩を語っ…

日々の、すみか 季村敏夫詩集 第2版

2012年12月、書肆山田から第2版として刊行された季村敏夫の詩集。初版は1996年4月。挿画は宮本隆司”grass2002”。装幀は亜令。 この作品集は十六年前の春、阪神・淡路大震災の翌年にだした。再び送りだすことができ、ひき締まるものを抱く。 災厄のあとの身も…

黛 松根東洋城

1941年6月、秩父書房から刊行された俳人・松根東洋城(1878~1964)の随筆集。装幀は礒部草丘。東洋城は夏目漱石の門下生。 目次 黛 三枚續 文鳥の卷 夜光虫の卷 橋杭 ちゆちゆむさん だらりの鐘 むらさき 海三景 笹子峠 花吹雪 永久王の御句 蕪島 緋の御袴 …

一つの机 菅原克己詩集

1988年4月、西田書店から刊行された菅原克己の第10詩集。 これは「菅原克己」の十冊目の詩集です。主に前詩集『日々の言づけ』以後の約三年間の作品を集めました。それと『定本菅原克己詩集』(一九七八年)の「未刊詩集より」の作品も再録しました。 菅原は「…

方位なき方位 底なき井戸 ヴィクトール・セガレン/豊崎光一

1990年11月、書肆山田から刊行されたヴィクトールセガレン/豊崎光一の詩文集。装幀は亜令。 目次 方位なき方位 底なき井戸 豊崎光一 碑 ヴィクトール・セガレン/豊崎光一訳 解説 挑発的訳業――隠れた名の方へ 澁澤孝輔 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオク…

春の泥 高村三郎作品集

1999年6月、高村三郎を支援する会から刊行された高村三郎の作品集。装幀は、栗津謙太郎。附録栞は、川島知世「バカタレ」、金時鐘「無償の給付を生きてきた男」、高村恵美「芹を摘む」、葉山郁夫「高村三郎さんの遠い瞳へ」、土方鐵「三郎の病床俳句」、米田…

黄泉草子形見祭文 尾花仙朔詩集

1997年8月、湯川書房から刊行された尾花仙朔(1927~2018)の第3詩集。第23回地球賞受賞作品。 目次 i パウロと訣れて 腐刻画 ヤム霊異記 寂寥の茎に 朦朧と、殺意に似たものが ii 悲色の網を手に曳いて 日本橋 またはある末裔 サーカスしぐれ iii 夢葬り 黄…

他者の土地 山田直詩集

1998年11月、国文社から刊行された山田直(1928~2015)の第10詩集。 旅の詩集に秀作は少ないといわれる。この指摘の根拠はいったいどこにあるのだろうか。旅を主題とする作品をまとめて一冊の詩集とし、敢て世に出そうとするからには、まずこの点を自分なり…

拒絶 牧野徑太郎詩集

1953年7月、日本藝業院から刊行された牧野徑太郎(1922~)の第2詩集。装幀は棟方志功。 目次 扉 萩原朔太郎の自筆短冊序に代えて 中谷孝雄 青黴の部室 天空へわたしは 光はこうも――私にも 雪寃 青黴の部屋 雷(三題) 一日のうちでの懐中電燈のやうな光よ …

春を告げる花 由起しげ子

1950年3月、時事通信社から刊行された由起しげ子の童話集。挿画は櫻井悦。 目次 春を告げる花 いなづま 誕生日 雨の日 おともだち みけとらとこいぬ みつばち ざくろの庭 木のぼり 雪に埋つたジープ おじいさんの靴屋 おくさんの砂(おらんだの話) 煙突掃除…

続魚河岸の石松 宮本幹也

1953年2月、向日書館から刊行された宮本幹也の小説。内外タイムズ連載。装幀は岡本爽太。 目次 漁火 風鈴 水と油 内と外 いのち NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

病者・花 細川宏遺稿詩集

1977年12月、現代社から刊行された細川宏(1922~1967)の遺稿詩集。編集は小川鼎三(1901~1984)と中井準之助(1918~)。 ここに編んだ詩篇は、彼の闘病生活の間に書かれたものの一部である。このうち、「花さまざま」は、いろいろの人々から病床に贈られ…

千枚の葉、ミルフィーユ 北沢秋恵詩集

2009年10月、樹海社から刊行された北沢秋恵(1949~)の第2詩集。 目次 五月 ユーカリの雨 空もよう 普通の日の雨の朝の日 石榴の目 ホタル、枇杷の実 七月のラクダ 一頭だけのキリンがいる動物園 恐竜の背骨 Uターン 水鳥と見間違えて 夏至 夕焼け 残暑見舞…

魚河岸の石松 宮本幹也

1952年11月、向日書館から刊行された宮本幹也の小説。内外タイムズ連載。装幀は岡本爽太。 目次 闘魚 湯の花 体臭 野良犬 騒音 血と肉 俠気 女の風 町の灯 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

越境 浅井薫詩集

1979年5月、青磁社から刊行された浅井薫の第2詩集(新装版)。第7回壺井繁治賞受賞詩集。 目次 野の風 有明海 出発 干潟 三つの村 峠道 野糞 ケシ ブラックバス コンビナートの土鳩 音 地下壕 国境 砂漠 球形の野 橋 突端 河床 日常 未明 廃坑 日本海 越境 …

犬とわたしと白い杖 福沢美和

1972年5月、山本書店から刊行された福沢美和(1927~)の児童書。装丁は田村義也、カットは田村忠子。福沢諭吉直系のひ孫。 目次 Ⅰ アンナと四匹の小犬たち 1 太郎のひとりごと 2 次郎とママのお話 3 花子の日記 4 三郎と同じ名まえの獣医さん 5 ママのアン…

思い出さないこと 忘れないこと 山本かずこ詩集

1998年7月、ミッドナイト・プレスから刊行された山本かずこ(1952~)の詩集。装幀は永畑風人。 目次 (萩の旅) (ゆび) (部屋) (バランスについて) (風の音) (花の記憶) (窓の外の風景) (レインダンス) (道) (ガンジス河まで) (はる) (取材) (売買) (ルル) (…

陸橋 東川紀志男句集

1960年12月、俳句評論社から刊行された東川紀志男の第1句集。題字・装幀は中村貞似。 句集「陸橋」は一九四八年から一九六〇年までの作品群を集めた。「雷光」「夜盗派」「縄」そして「俳句評論」に発表されたもの。 ぼくの俳人としてのたった一つの光栄は同…

午前中の着地 園原潤詩集

1989年7月、あざみ書房から刊行された園原潤の第1詩集。 △詩とは何か。僕にとって詩とはポエジィのシンバルによって、奏でられた音のぬけがらである。 それは僕の中を通過していった彗星の尻尾であり、ジャンプ力である。△ポエジィとは何か。 ポエジィとは誰…