春のかぎり 小堀杏奴

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 1958年5月、みすず書房から刊行された小堀杏奴の長篇小説。装幀は小堀桃子。

 

 どぎつい描写の小説が多いなかに、これは柔しい文章のこきやうに引きもどしてくれる杏奴さんが初めて書かれた小説である。
 小説に声といふものがあったらこの作者の声が、われわれにすぐれた響で話しかけてくれ、われわれは、そこに杏奴さんの優しい声に聞きほれる気がするのである。
(「帯文/室生犀星」より)


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