2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

遠丸立もまた夢をみる 失われた文芸評論のために 愛敬浩一

2022年2月、洪水企画から刊行された愛敬浩一(1952~)による遠丸立(1926~2009)の評論集。装幀は巖谷純介。詩人の遠征12。 目次 プロローグ 1 なぜ<吉本隆明論>か? 2 <ドストエフスキー論>へ 3 『恐怖考』を読む 4 『死の文化史』を読む 5 『記…

水のクモ 藤本真理子詩集

2017年9月、書肆山田から刊行された藤本真理子(1947~)の第8詩集。装幀は亜令。 目次 きのうの渡り鳥が 夕映えに 翼をたたんだのは 人買いの手かや 七つの惑星から 優曇華や きょうの綻びから 鵲の アシの笛から 砕かれし 沢―― 白妙の鵠 わたくしの心音の …

光の疑い 平出隆

1992年11月、小沢書店から刊行された平出隆(1950~)の評論集。 目次 Ⅰ 詩と生を結ぶもの 宇宙言語との響応 はつらつたる悪戦 不在の詩人の同時代批評 夢見論・夢語り論 セガレンと中間領域 「大詩人」の神話」 朔太郎の二律背反 未済にして終る 死者の息吹…

処女詩集の頃 中日詩人会

1995年9月、中日詩人会から刊行されたアンソロジー。装画は堀昌義。編集委員は黛元男、加藤栄子、小園好、松田利幸、若原清。 本書発刊の原流となったのは、中日詩人会々報に掲載された「処女詩集の頃」である。一九六九年発行の会報二八号から、当時の会報…

栞・転々 村上章夫詩集

1990年6月、ミドナイト・プレスから刊行された村上章夫(1949~)の第3詩集。装幀は永畑風人。著者は大阪生まれ、刊行時の住所は越谷市。 昭和五十二年六月から平成元年十二月までの十二年半の間に、岡山市、横浜市、新潟市、越谷市に住んだ。その間に四十篇…

口誦さむべき一篇の詩とは何か 藤井貞和詩論集

1989年7月、思潮社から刊行された藤井貞和の評論集。装幀は芦澤泰偉。 目次 Ⅰ 現代詩の心飾りは今…… しろ花 黄い花 <古典>趣味について <形>について ロ誦(くちず)さむべき一篇の詩とは何か 『わたくしの幽霊』以後 Penisist の祈りから人間の原点へ 玉ネ…

首のないカタログ 森原智子詩集

1978年9月、水夢社から刊行された森原智子(1934~2003)の第3詩集。表紙は島州一。 目次 カティサーク号 暗い2月 ホテル・カリフォルニア――イーグルスのために コインロッカーに関するアンケート 失ったもの 耳忌 ゴスペルを聴く日 手紙のあとさき 背後の風…

世界のために泣く夜 東京子詩集

2007年5月、土曜美術社出版販売から刊行された東京子の詩集。クリエイティブディレクションは武藤雄一、アートディレクションは安田由美子、デザインは岡崎智弘。 私の趣味は散歩です。今までいろいろな所を散歩しました。 一人で、二人で、時には大勢で。そ…

死の国の姉へ 雨と花との季節から 井奥行彦詩集

2012年5月、青樹社から刊行された井奥行彦(1930~2019)の詩集。著者は福岡県生まれ、「火片」発行人。刊行時の住所は岡山県総社市。詩人なんば・みちこの夫。 この詩は私が編集・発行している同人詩誌「火片」五十四号(一九六六年〈昭和四十一年〉発行)に…

うらら日に 山内清詩集

1988年9月、書房ふたばから刊行された山内清の詩集。刊行時の著者の住所は大阪府高石市。 言葉を話すことがおそろしくなくなってくると、わたしという実体がなくなっていく、つまり、生きることがおそろしくなくなることは<自分>をどこかへ失っていくこと…

迷宮を小脇に 田中勲詩集

2003年10月、思潮社から刊行された田中勲の詩集。装画は玉野モニカ。 目次 古い恋唄のように 約束の場所で 沼のレンズ 幻の光のなかで 岬までの闇 廃駅 漂う岸の人々と 呪われたスキャット 純正という装置 夢を拭う手 迷宮を小脇に 街に昔の雨が降 踊る孒孒 …

蚤の心臓 関富士子詩集

1994年7月、思潮社から刊行された関富士子の第3詩集。 目次 Ⅰ 蚤の心臓 蛇の道 猫を被るi 猫を被るii いたちの鎌 ミイラ取り 鵜を呑む 尻餅 鳩胸 窓のユキ Ⅱ 時をめぐる冒険 葡萄畑 市場 遊園地 キャンプ 0号間欠泉 古墳 蜂のエリア 焦眉 切手を犬になめさせ…

街の百姓 真壁仁詩集

1973年4月、郁文堂書店から復刊された真壁仁(1907~1984)の第1詩集。付録栞は神保光太郎「上衣を脱ぐ」。画像は普及版。底本は1932年北緯五十度社版。 復刊にあたって 『街の百姓』は、四十年前の僕の詩集である。雑誌「生活者」「濶葉樹」「流氷」「至上…

風景の中の旅人 池田實詩集

1985年10月、花神社から刊行された池田實の詩集。 人は一生の間にいろいろの風景を通り過ぎていく旅人であると共に風景そのものとなる存在である。生まれそして死に、長い年月の後に風化し、終には混沌に還っていく存在である。誕生の日から人は共通の日常と…

螺旋の周辺 関富士子詩集

1977年10月、監獄馬車から刊行された関富士子の第1詩集。 目次 旅行 ペネロペイアのつづれ織り 縛られたプロメテウスヘ 伝令 風の径路 ・螺旋の周辺 嗜好 辺境 不具 季節 設計 憧憬 舞踏 選選抜 所有 地形 落差 防災 ・∞ 求愛 労働のための眠り 来歴について…

向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ

2014年1月、未来社から刊行された向井豊昭の著作集。編集は岡和田晃。転換期を読む22。 目次 うた詠み(一九六六) 耳のない独唱(一九六八) 「きちがい」後日談(エッセイ/一九六九) エスペラントという理想(エッセイ/一九七四) シャーネックの死(翻訳/作ベンチ…

さくら館へ 森やすこ詩集

2013年4月、思潮社から刊行された森やすこの第3詩集。 目次 さいごの旅 新年 天の岩戸から野原の野ねずみ 喪のカーテンをあける さくら館へ さくら 桜山 桜巡り たまがわ さくら さくら 桜山 朝のウォーキング シダレヤナギ 大嵐のあと 朝のウォーキング 他…

メダカのメダカ 松下和夫

2011年11月、草原舎から刊行された松下和夫のエッセイ集。表紙は秋田かなえ。刊行時の著者の住所は千葉県市川市。 目次 はじめに メダカのメダカ ある日ある時1 ある日ある時2 ある日ある時3 ある日ある時4 ある日ある時5 ある日ある時6 ある日ある時7 ある…

入り口と出口のあいだで 一瀬なほみ詩集

2017年9月、土曜美術社出版販売から刊行された一瀬なほみ(1953~)の第2詩集。カバー装画は吉丸杏、装幀は直井和夫。刊行時の著者の住所は山梨県韮崎市。 谷川俊太郎の本『風穴をあける』の中で、「料理女がサラダにレモンの切れはしを絞るように、詩人はと…

十四行の青春 高橋一亮詩集

2012年2月、砂子屋書房から刊行された高橋一亮(1931~)の第2詩集。装幀は倉本修。 目次 十四行の青春 三行広告 寝言 ユメノ中デ 木 りんどう 五十年 花ガ咲イテイル きりぎりす 水の花 大川 梅 朝の影 ビルの歌 たんぽぽ 花ならば 露草 月は曙 真日くれて …

ともしび 柴田白葉女

1977年1月、牧羊社から刊行された柴田白葉女(1931~1984)の随筆集。装幀は直木久蓉。 目次 蛇笏先生を偲ぶ 柿 辛夷の花 わたしの森田たま女史 その頃 陽炎句会 ともしび 崖上の家 沙羅の花 冬の欅 葉けいとう 白木蘭 樹のすがた 蚊 猫 菊 牡丹 形 傍観者 …

草露集 出口草露歌集

1954年1月、出口草露歌集刊行会から刊行された出口草露の歌集。表紙は棟方志功。 目次 序 嘉納とわ 昭和十三年 昭和十四年 昭和十五年 昭和十六年 昭和十七年 昭和十八年 昭和十九年 昭和二十年 昭和二十一年 昭和二十二年 後記 NDLで検索Amazonで検索日本の…

詩人クリスティーヌ・ド・ピザン 沓掛良彦 横山安由美

2018年9月、大和プレスから刊行されたクリスティーヌ・ド・ピザン詩集。編訳は沓掛良彦と横山安由美。アートディレクションは原耕一、デザインはせい。 このほど大和プレス社長佐藤辰美氏の望外のご支援を得て、積年の夢であったクリスティーヌ・ド・ピザン…

棕梠の葉 川島多一歌集

1977年10月、短歌新聞社から刊行された川島多一(1913~)の歌集。 私は大正二年群馬県の片隅の農村に生れました。米作と僅かな養蚕を営む農家の八人きょうだいの末子でした。物心ついたときはすでに父は亡くなっていました。 小学校を卒える春のこと、背中…

虹 高橋勇詩集

1969年、私家版として刊行された高橋勇の第1詩集。 友人高橋勇が、その青春時代にものにした詩を一冊にまとめたいとの話は、かねて酒杯の合間から耳にしてゐたことなのであったが、ぼくが彼の詩に接したのはこんど出る詩集のグラ刷を読んだのがはじめてなの…

父の口ぶえ 十才の詩集 草野心平編 岩田有史詩集

1951年1月、小山書店から刊行された岩田有史の詩集。著者は宮沢賢治の従兄弟。 解説 草野心平 今年の四月、私は岩手の太田村に高村光太郎氏を訪ねましたが、その途次花巻の宿屋に一泊しました。その晩旧知の関登久也さんが訪ねて下すって、自分の子供の作品…

鶯の啼く地獄谷 香山末子詩集

1991年7月、皓星社から刊行された香山末子(1922~1996)の第2詩集。装幀は藤林省三。著者は韓国生まれ。1945年、栗生き楽泉園に入園。 目次 Ⅰ 消えた足あと 消えた足あと ため息 まっかなトマト 湯煙のように あの日の別れ 冬の想い出 夢はしっかりそのまま…

合掌部落 能村登四郎句集

1957年4月、近藤書店から刊行された能村登四郎(1911~2001)の第2句集。 「咀嚼音」以後の作品五〇〇句をまとめた。 その間の二年牛という歲月は、句集の製作年代としては極めて短かい。おそらく將來もこれほど短歲月で多作するという事はないだろうと思う…

タマゴアタマ 秦愛子詩集

1990年8月、思潮社から刊行された秦愛子の第1詩集。付録栞は「いつか『秦愛子』になる日まで」(高橋源一郎)、「うどんは食べるものではなく暴れるものだ」(ねじめ正一)。 目次 白線 タマゴアタマ 枕経 ぬりえ 象牙の脚 くつぬぎ石 おこるうどん 気がかり…

墨染めに咲け 須山静夫

2008年11月、新宿書房から刊行された須山静夫(1925~2011)の自伝小説。編集協力は高橋衛。装画は高橋和、装幀は開発彩子。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索