2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

高校マントのグリーンランド 内野潤子

1985年7月、紫陽社から刊行された内野潤子(1928~)のエッセイ集。装幀は芦澤泰偉。著者は歌人。小説家・山手樹一郎の娘、井口朝生の妹、詩人・井坂洋子の母。 手品師の黒いマントからは、花や白い鳩が飛び出して人の心を和ませてくれる。私の高校マントに…

罌粟と記憶 パウル・ツェラン 飯吉光夫訳

1989年5月、静地社から刊行されたパウル・ツェラン(1920~1970)の訳詩集。翻訳は飯吉光夫(1935~)。 『罌粟(けし)と記憶 Mohn und Gedächtnis』は、一九五二年に出版されたパウル・ツェラン Paul Celan(一九二〇~七〇)の処女詩集である。この詩集には…

千年の夜 簾内敬司

1989年5月、影書房から刊行された簾内敬司(1951~2016)の長編小説。装幀は松本進介。 目次 影踏み 魂の力 菩薩花 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

春の重さ 太原千佳子詩集

1984年11月、思潮社から刊行された太原千佳子(1937~)の第2詩集。装丁は利根山光人。刊行時の著者の住所は練馬区上石神井。 染井吉野の開花日は、桜の蕾の重さを測って予想する、と新聞の片隅に書いてあった。私はその記事を切り抜き、その日から、違い春…

輝き術 日原正彦詩集

1973年10月、詩学社から刊行された日原正彦(1947~)の第1詩集。 目次 Ⅰ 尋ねる人 静かなひと プールサイドで いとしき来迎 Ⅱ かぜ 風(散文詩) 風 Ⅲ 夢 気配 収集 丘まで Ⅳ ものたちの朝 供物 送別歌のように Ⅴ 新鮮なたそがれの中で 黄昏 おわりのための…

余白の祭 恩田侑布子

2013年3月、深夜叢書社から刊行された恩田侑布子(1956~)の評論集。表紙はクリムト「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」(部分)、装幀は高林昭太。第23回ドゥマゴ文学賞受賞作品。 小さい頃から川が好きだった。 静岡の街なかに生まれたが、三つで安…

物たち 太原千佳子詩集

1981年3月、詩学社から刊行された太原千佳子(1937~)の第1詩集。第6回現代詩女流賞受賞作品。刊行時の著者の住所は練馬区下石神井。 昭和五十年四月から同年々末まで、産経学園自由ヶ丘・詩の教室の講師を勤めたことがある。これは、前任の村野四郎氏の亡…

距離 鳥巣郁美詩集

1959年9月、文童社から刊行された鳥巣郁美(1930~)の第1詩集。装幀は山前実治、装画は大久保三一。著者は呉市生まれ、刊行時の住所は大阪市都島区。 目次 距離 煖炉 はにわの眼 ひびわれ 藍に寄せる 夜の構図 海 白布 金魚 落日 一匹のはえ 裂傷 波 めぐる…

夢洗ひ 恩田侑布子句集

2016年8月、角川文化振興財団から刊行された恩田侑布子(1956~)の第4句集。装幀は南一夫。著者は静岡市生まれ、刊行時の住所は静岡市葵区。 『夢洗ひ』は、私の第四句集です。二〇〇八年夏から二〇一六年春まで、発表句一一二五句から二九七句を自選し、本…

降誕祭まで 宮内寒彌

1947年11月、南北書園から刊行された宮内寒彌(1912~1983)の短編小説集。 目次 四國巡禮 「四國巡禮」について 夏の記憶 海邊の町にて 大磯小磯 或る英人教師 立春 憂鬱なる水兵 妻への手紙 降誕祭まで あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索…

空塵秘抄 恩田侑布子句集

2008年9月、角川書店から刊行された恩田侑布子(1956~)の第3句集。装幀は田口良明。付録栞は三木卓「居合の業師」、池内紀「侑布子と黙念」、末木文美士「富士と空塵」。角川21世紀俳句叢書。著者は静岡市生まれ、刊行時の住所は静岡市葵区。 目次 滅紫(…

白樺の林 白樺同人

1919年12月、聚英閣から刊行された白樺同人のアンソロジー。装幀はバーナード・リーチ。 聚英閣の渡邊君から『白樺の森』や『白樺の園』のやうな本を出さしてほしいさいふ話があつたのはだゐ分前のことであつた。丁度其頃僕達は白樺演劇社を起した時であつた…

白樺の園 白樺同人

1919年3月、春陽堂から刊行された白樺同人のアンソロジー。装幀はバーナード・リーチ。 A。此本はどう云ふ本なのだ。 B。白樺同人の著作集で、此前に新潮社から出した「白樺の森」の第二集のやうなものだ。だから各同人の一番自信のある作を集める爲めに出し…

白樺の森 白樺同人

1918年3月、新潮社から刊行された白樺同人のアンソロジー。装幀はバーナード・リーチ。画像は函欠本。 自分達は泰西の名畫に憧がれている。自分達の崇拝する天才の作品に接したい慾望に燃えてゐる。しかし自分達は自分達に金も力もないことも知つてゐるので…

石川信雄著作集 昭和短歌史の遺産

2017年4月、青磁社から刊行された石川信雄(1908~1964)の評論集。編集は石川輝子と鈴木ひとみ。装幀は石川はるな。表紙装画は著者自画像。 目次 第一章 作家論 白秋先生の死 前川佐美雄と「植物祭」 前川佐美雄論 プロロオグ 前川佐美雄の近業(一) 前川…

振り返る馬 恩田侑布子句集

2005年12月、思潮社から刊行された恩田侑布子(1956~)の第2句集。装幀は芦澤泰偉。著者は静岡市生まれ、刊行時の住所は静岡市葵区。 『振り返る馬』は、二〇〇〇年上木の『イワンの馬鹿の恋』以降、二〇〇五年夏までの四〇六句を収める第二句集である。 こ…

消える湖 伊藤永之介

1959年2月、光風社から刊行された伊藤永之介(1903~1959)の長編小説。装幀写真は小川元生。 「消える湖」は、家の光協会の雑誌「地上」に、昨年の一月号から十二月月号にわたって連載された。 私の故郷秋田県の八郎潟の干拓問題をバックに、湖畔の漁民の生…

南米航路 伊藤永之介

1957年11月、角川書店から刊行された伊藤永之介(1903~1959)の長編小説。装幀は三田康。朝日新聞夕刊連載。 目次 灯の海 雨の船出 阿呆鳥 日付変更線 イルカは踊る パナマ運河 南十字星のもと 赤道祭 後記 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオ…

粘る唾 辻五郎詩集

1973年12月、土曜美術社から刊行された辻五郎(1934~2020)の第3詩集。装幀は堀正明。著者は中国瀋陽市生まれ、刊行時の住所は町田市。 目次 序・辻五郎の詩へ 黒田喜夫Ⅰ 夜の飛行 夜の飛行 悪い夢 ぼくたちの連帯 やはり沈黙だけが 失われるべきものを送れ…

北の窓 今岡弘詩集

1975年6月、草原社から刊行された今岡弘の第4詩集。装幀は土方久功。草原叢書第1集。刊行時の著者の住所は練馬区下石神井。 本詩集は、昭和四十六年から今日迄、約四年間に於ける作品の中から、まとめたもので、私としての、第四詩集になるわけである。作品…

醫者のゐる村 伊藤永之介

1942年5月、寶文館から刊行された伊藤永之介(1903~1959)の短編小説集。装幀は福田豊四郎。画像は裸本。 ここに収めたのは、すべて昨年の後半期から今年にかけての作品である。出版上の都合で兎角舊作を加へることが多かつた自分としては、最近作ばかり集…

湖畔の村 伊藤永之介

1939年12月、新潮社から刊行された伊藤永之介(1903~1959)の長編小説。装幀・装画は福田豊四郎。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

馬 伊藤永之介

1939年1月、新潮社から刊行された伊藤永之介(1903~1959)の短編小説集。装幀は大月源二。新選純文学叢書第7。 目次 鷗 馬 塒 鮒 狐 鮭 四方山話 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

島へ 望月昶孝詩集

1966年10月、思潮社から刊行された望月昶孝(1938~)の第1詩集。装幀はやべ・みつのり。著者は東京・祐天寺生まれ、刊行時の住所は広島県安芸郡。 目次 I 1960 ただ横たわっている 儀式について 世わたり下手 国際見本市 モンティカティーニ II 196…

月光懺悔 井上弘治詩集

1990年10月、ミッドナイト・プレスから刊行された井上弘治の第2詩集。装幀は三嶋典東。付録栞は鈴木志郎康「ロマネスクの重い構築」。 目次 Ⅰ 微熱の街をすぎて、キララ 酒場天使(バー・エンジェル) 恍惚の北極星 切迫した蘭や薔薇 海鼠は怠惰 死者の樹の…

水の時刻 柏木勇一詩集

1988年8月、崙書房出版から刊行された柏木勇一(1941~)の第4詩集。著者は岩手県生まれ、刊行時の住所は千葉県柏市。 衣服はもちろん、手のひらや指先についた樹液、草の汁は洗っても洗ってもなかなかとれません。樹液や草の汁も実はちゃんと生きていて皮膚…

聖浄と歓喜 賀川豊彦

1929年3月、日曜世界社から刊行された賀川豊彦(1888~1960)のキリスト教随筆集。 目次 魂の捧供―聖淨憧憬篇 出發の用意をせよ 沖へ出でよ 新しき皮嚢の問題 聖靈による瞑想 聖淨の把持 少數を恥ぢるな 漂泊者の讃歌 レビイチカス精神に就て 職業のきよめ …

国史の時間 山崎寿々子詩集

1987年12月、編集工房ノアから刊行された山崎寿々子(1923~)の第1詩集。著者は大阪市生まれ、刊行時の住所は大阪市東住吉区。 目次 Ⅰ 三味線 朝食 桜 西行庵 雀 どくだみ 鳩 開高さんの家 つくし摘み 歳月 お雑煮 なきがら 明治屋 天王寺公園'83夏 人形 見…

滞空時間 新井豊美詩集

1993年9月、風狂舎から刊行された新井豊美(1935~2012)の第6詩集。画像は二版。初版は1991年11月に限定5部で発行された。 ここにおさめた詩群は、一九八八年に出した詩集『半島を吹く風の歌』の作品群より前に書いたものです。詩集にまとめる機会を失い、…

東京の風俗 木村荘八

1949年2月、毎日新聞社から刊行された木村荘八(1893~1958)の随筆集。著者自装。 目次序 東京の風俗 柳橋考 両國橋の欄干 両國界隈 両國今昔 洲崎の印象 吉原ハネバシ 刎橋の受台について 立見の金網について 「いろは」の五色ガラスについて 浴衣 浴衣小…