1993年9月、風狂舎から刊行された新井豊美(1935~2012)の第6詩集。画像は二版。初版は1991年11月に限定5部で発行された。
ここにおさめた詩群は、一九八八年に出した詩集『半島を吹く風の歌』の作品群より前に書いたものです。詩集にまとめる機会を失い、わたし自身もこれらの試みへの動機をみうしなったまま放置していました。ところがこの試みを面白く思って記憶していてくださった國峰照子さんの純粋手作りで、思いがけずこのたびごく少部数の発行が実現されることになりましたのは、自他ともに認める彼女の遊びごころのたまものです。
(「あとがき」より)
目次
- 稲妻の髪をして/彼女たちが
- ポルトリガトの天使と漁夫
- 歪形の木に返信していくわたしの手足
- 「折れた片足」を生やすわたしの植物
- 解体していく植物
- 千年を裂けつづけているという想念
- その女に繁茂するふくすうの腕
- 空中公園
- 滞空時間
- この世の犬、ではなく
- 現世をあゆみでていった女の素足
- 池袋ロマンス通りでその「部屋」を探す
- 滝の中から女が現われる
- 火の腕に抱かれた女の顔
- 口を開いた頭部
- 『草迷宮』を読む女
あとがき