2000年10月、思潮社から刊行された田口犬男(1967~)の第2詩集。第31回高見順賞受賞作。
司馬遼太郎さんがどこかで、幕末までの日本には「絶望」という言葉がなかった。だからひとびとは「絶望」というかわりに、「困った」と言っていた、と書いています。
わたしはそれを読んで、なるほど、これはいい、と思ったものです。
「絶望した」という言葉のかわりに、「困った」と言えばいいのだ、と。
(「あとがき」より)
目次
モー将軍
トマスの一生
ミス・グローリーのための十三章
日進月歩
平和の木・戦争の木
地球の耳
トースター・煙・バターナイフ
金星人
赤ずきん青ずきん
不思議の国の金田一耕助
王様がチーズになるまえに
アリエスのライオン
The Retired Bear
いくつかの短詩
あとがき