2015年4月、思潮社から刊行された四元康祐の評論集。装幀は奥定泰之。
目次
初めに言葉・力ありき――講演
詩人たちよ!
- 詩を絡め捕る散文の網――キアラン・カーソン『琥珀捕り」
- 詩と背中合わせに――高橋源一郎の小説
- 贅沢な「レイバー」――佐々木幹郎「パステルナークの白い家』
- 異国で読む『いのちとかたち』
- にぎやかに――石垣りん
- 秀でた額の少年とやさしい声の妹――新川和江さんの詩
- 変異する・させる伊藤比呂美――荒れ野から河原へ
- 持ち上げて嵌め込んで化けまするの詩――伊藤比呂美『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』
- 中年厨子王、安寿(ひめこ)に手を曳かれ!
- 名前のない小説の棚から転がり落ちた〈わらべ〉うた―多和田葉子「傘の死体とわたしの妻」
- ゆやゆよーんの三十年
- 感傷的なダダイスト・中也――抒情の解体と再生
- (冥界の)中原中也氏に訊く「詩の書き方」
- 小池昌代をめぐる長くとりとめのないお喋り
- 詩という果実の皮をくるりと剥いて――小池昌代「ことば汁」
- 詩を照射する三つの光線
- 辻井喬論のためのエスキース
- 現代詩の心身を弄る歌びとの指遣い――岡井隆『注解する者」
- 詩と死と私を通り抜けて少年に出会う――山田兼士「微光と煙」
- 貝を脱いだカタツムリ――細見和之「闇風呂」
詩と現実
- 詩を書く同僚
- 後輩諸君に告ぐ、「詩」との接触感染に注意せよ!
- ある「転回」
- あの本――ドロドロを訊いてゆくうち……
- 道すがら
- 短い休息
- シェイマス・ヒーニーを弔う
- 第三の本屋にて――ミュンヘンで詩を捜す
- ぼろぼろ――ゆっくりとした終わりの始まり
- 海外の子供の詩
- ヨーロッパの若い詩人たち
- 死の凹みを生きた詩人たち
- 北の詩人たち
- Finland Rhapsody
絶対無分節へ
- 翻訳――〈詩の共和国>への通行証
- クラクフ日記――歌物語再考
- 四人のクラクフ
- 泳ぐこと、夢見ること、死を想うこと――私にとっての「異境の詩」
- 天を目指して、言葉の糸を降りてゆく
- 非分節深層地獄の叛乱 ――ドイツから東日本の津波を見下ろす
- 海を隔てた孤立と連帯――震災から半年を経て
- 「打ち開けた地方」への旅
- 色は匂へど……
- 野性の詩学――ゲーリー・スナイダーからの導き
「最初の一歩」――墓地から あとがきに代えて