1998年7月、思潮社から刊行された清水昶(1940~2011)の詩集。
こんな童話を聞きました。夏休み、少年がひとりで田舎の年老いた叔母さんのところへ行きました。しっけはきびしく少年は夜は早早と寝かしつけられてしまいます。なかなか寝っけぬまま目覚めていると奇妙なことに気がつきます。部屋の時計が十三回きまって鳴るのです。そのありえない時間に少年が起きて階下の扉を開いてみると外はまっ昼間。その庭で美しい少女が遊んでいて、たちまち少年と仲良くなるのですが、毎日出会うたびに彼女はどんどん歳をとってしまいます。ある日いつものように少年が扉をひらくと外はまっ暗闇。少年が少女の名を大声で叫ぶと、年老いた叔母さんが「だれかわたしの名を呼んだ?」と二階から降りてきたのです。そこには時空をこえた人生のすべてがあるような気(「あとがきにかえて」より)
目次
- 学校
- 古典的鉄則
- 雨
- 無題
- ふりかえる未来
- 出さなかった手紙
- 秘密の裏側
- 白球
- 居酒屋
- 風
- しきさい
- あつめる
- 気
- 哄笑
- 司祭
- ものがたり
- 理由
- 朝陽を浴びて
- ホワイト・ブック
- うめぼし
あとがきにかえて