星を見る人 日本語、どん底からの反転 恩田侑布子

 2023年9月、春秋社から刊行された恩田侑布子(1956~)の評論集。

 

目次

序 星を見る人

Ⅰ 近代を踏み抜いて 『石牟礼道子全句集 泣きなが原』

  • 近代の棺桶から半身を起こす
  • 無垢と異形
  • システム解体の先へ

Ⅱ 皮膜と「興」 草間彌生荒川洋治

  • 草間彌生 虚と実の二面性
  • 「垂鉛」から「皮膜」の時代へ
  • 想像力こそ不易のグローバル
  • 隠喩の宝庫
  • 深遠な隠喩「興」
  • 虚構との付き合い方
  • 情報社会花盛りのなかで
  • 落ちこぼれつつ鼓動する
  • 隠喩から換喩へ横滑りする時代
  • 有限の錐
  • みなもとの子へ 荒川洋治北山十八間戸
  •  コミュニケーションと孤独
  •  無垢の感情と地平
  •  「興」としての隠喩
  •  すやり霞の涌く身空

Ⅲ やつしの美 久保田万太郎の俳句

  • 心に聴くなつかしみ
  • ふだん着のミニマル・アート
  •  日本語の匠
  •  ばばア育ちの文学的早熟
  •  流寓のひと
  •  ミニマリズムのけしき
  • けはいの文学
  •  絖のひかり
  •  短歌的抒情の止揚
  •  稚気のままに
  •  低徊趣味への反発
  •  かげを慕いて
  •  文学の沃土から
  • 切れの変幻美
  •  さらば、レッテル
  •  心技一体の技法百態
  •  ひらがなの寂光土
  •  あわいに生きる美学

Ⅳ エロスとタナトスの魔境 飯田蛇笏

  • エロスとタナトスの魔境 飯田蛇笏
  • 高校時代、蛇笏と出会う
  • 蛇笏の多声音楽
  • エロスの豊饒
  • 冬の名句とタナトス
  • 生の円環運動

Ⅴ 戦争、エロスの地鳴り 三橋敏雄

  • 白帆をあげて
  • たましいの蒼さ
  • 無季の可能性を追って
  • 戦争の世紀を引き受けて
  • 無頼と青天

Ⅵ 社会性俳句・巣箱から路地に 大牧広

  • 「平凡の非凡」へ至る路地
  • 身体化された社会性俳句
  • ええかっこしいでない老熟

Ⅶ 美への巡礼 黒田杏子

  • プロローグ 気迫の謎へ
  • 善財童子の旅(東方・青) 
  • 十一面観音の情(南方・赤)
  • 感覚の豊麗(西方・白)
  • 立句の胆力(北方・黒) 

Ⅷ 現代俳句時評

  • 近代の光と闇 正岡子規 『獺祭書屋俳話・芭蕉雑談』 
  • 蛇笏の呪力 『飯田蛇笏全句集』
  • 震源としての俳句 『季題別 中村草田男全句」
  • 桃源へのほそ路芳賀徹 『文明としての徳川日本』
  • 百歳のユーモア 後藤比奈夫『白寿』
  • 土にあこがれた人 金子兜太追悼
  • 感応する老人格 大牧広
  • 切れの交響曲 有馬朗人 『黙示」
  • 地貌に耳澄ます 宮坂静生 『季語体系の背景―地貌季語探訪』
  • 美とエロス 高橋睦郎 『十年』
  • 闇の声を聞け 高野ムツオ『片翅』
  • 日光から月光へ 正木ゆう子「羽羽」
  • 発想の波長のながさ 鈴木太郎『花朝』
  • 月光の挑戦 上田玄 『月光口碑』
  • 切れに畳まれたもの オウム死刑囚、中川智正
  • 現実にがぶり寄る 『汀』・『天荒』
  • 虚実の両岸 四十代半ばの二俳人 黒澤麻生子・田島健
  • 二、三十代の俳人 一九八三年以降生まれの若手
  • フクシマと十代の俳句 福島の高校生二人
  • 17歳の17音 神奈川大学全国高校生大会
  • 破格の高校生「17音の青春」

Ⅸ 草田男と霊感

Ⅹ 渾沌と裸 井筒俊彦『意識と本質』から

  • アーチザンの跳梁
  • 反『嘔吐』へ
  • じかの感動
  • 芭蕉――「本質」の次元転換
  • 芭蕉の「本情」
  • 無への肉薄
  • 浸透し合うこころ
  • 感情の復権

Ⅺ 新説『笈の小文』 切れと感情の大陸

  • 心猿
  • 絵巻の切れ・扇面散屏風の切れ
  • 花と夏月の思い人
  • 感情の大陸

あとがき


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