2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

抒情小曲論 伊藤信吉

1969年11月、青蛾書房から刊行された伊藤信吉(1906~2002)の評論集。装幀は串田孫一。 私の手もとにある上田敏の訳詩集「海潮音』は、表紙の背皮がぼろぼろに傷んでいる。小型本の室生犀星の『抒情小曲集』は、紙の表紙なので傷みがいつそうひどい。『藤村…

黄土の風 坂本つや子詩集

1990年8月、花神社から刊行された坂本つや子(1926~)の詩集。第24回小熊秀雄賞受賞作品。著者は東京生まれ、1938年に渡満。刊行時の住所は足立区西新井。 母と娘が、この世の悪意と善意をきっちりと二等分し、一つの計算違いもなく天から分けもたされる――…

森のなかの食卓 藤原菜穂子詩集

1989年2月、地球社から刊行された藤原菜穂子(1933~2020)の第8詩集。装画は黒須昇。著者は岡山生まれ、刊行時の住所は福島県白河市。 雪のやんだ朝、二羽の山鳩が庭に来て、ヒマラヤ杉の枝に巣を作っていた。しばらく、いたわりあうように庭を歩いていたか…

回想 宮本百合子 平田敏子

2000年5月、斎藤麗子の私家版として刊行された平田敏子(1923~1999)の回想録。聞き書き・構成は斎藤。平田は元筑摩書房編集者。 目次 はじめに 初めての出会い 筑摩書房入社 お茶汲み論争 辰野隆先生 社員旅行での出来事 臼井先生のキス 宴会での騒動 松田…

循環屑 高野静行詩集

1997年9月、巴書林から刊行された高野静行(1964~)の第1詩集。装幀は入瀬拓。著者は東京生まれ。鈴木研也 目次 未ダ生マレテイマセン、ソレハ 開始 なにかが流れ始めるとか、あるいは 巡礼 巡るもの、巡ってくるものについて 否定の塔 聳え立っているもの…

キムラ 佐々木洋一詩集

1998年11月、土曜美術社販売から刊行された佐々木洋一(1952~)の第11詩集。装幀は斉藤綾。著者は宮城県栗駒町生まれ。刊行時の住所は宮城県栗駒町。 目次 逆さ地蔵 かもじ抗伝説 キムラ タムラ 国松 乙松 水球 狐の匂い 豆の愛 ずんどうを愛する 稲だらけ…

詩画集 花の四季 江間章子 藤島淳三 岩瀬徹 矢野佐

1979年11月、東京新聞出版局から刊行された江間章子(詩)、藤島淳三(絵)、岩瀬徹(解説)、矢野佐(解説)らの詩画集。 目次 時 宇宙の砂塵 ウサギの目 朝食にどうぞ 春 ロウバイの 花に寄せて ツバキの花が咲く木の下で 雨の夜 三月のうた 笛 野の女王 …

花咲群 江島桂子詩集

2000年3月、思潮社から刊行された江島桂子の第2詩集。装幀は林保次郎。 目次 Ⅰ 卵(らん) 毬 湖底電話 花咲群(はなさきむら) お川 母地(ぼち) なつ 鱗族 Ⅱ 沼沢地 火屋(ほや) キネ 不知火(しらぬい) 他火(たび) 処方箋 紐 藺田(いだ) 鐘 狭間(…

ローザ/帰還 笠井嗣夫詩集

2003年6月、思潮社から刊行された笠井嗣夫(1942~)の第4詩集。著者は北海道生まれ。プロレタリア詩人の笠井清は父。 目次 Rosa Blue Rosa 棒杙 ラバーソウル Blue in Green 不眠 痕跡 滞在 跳ねる魚 橋への誘い 航海 帰還 放火 投身 見知らぬ白 <場所> …

湖畔記 尾崎一雄

1947年4月、新紀元社から刊行された尾崎一雄(1899~1983)の随筆集。 目次 いなづま 疲れた男 新月 赤城行 湖畔記 ささやかな事件 母のこと 小品 男子出生 子供 「母の日」のことなど 市バスの中で 脱出 山下一家 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索…

沼へ 宮田澄子詩集

1980年12月、不動工房から刊行された宮田澄(1930~)子の詩集。刊行時の著者の住所は三重県四日市市。 昨年偶然のことから、空襲の夜以来散り散りになっていた友人たちに再会した。話は尽きなかったが、私は子供のころから異様に覚めていたと言われ、思いあ…

オケアノスの食卓 植村勝明詩集

1988年7月、詩学社から刊行された植村勝明(1934~2019)の第1詩集。装幀は十河雅典。著者は熊本県生まれ。 目次 海市 海のメモリー 蝕まれたオメガ 待ち望む過去 アナザー・タウン フィンランディア 失韻のアルファベット 不機嫌な城主 走れメロス アリの目…

英雄時宗 鷲尾雨工

1943年1月、フタバ書院成光館から刊行された鷲尾雨工(1892~1951)の歴史小説。装幀・挿画は玉村吉典、挿画は石津博典。 目次 小笠懸 太郞の父母 闇の歸り[道] 大和尙 松下禪尼 かさなる悲しみ 陰謀 多難の歲 鎌倉騷動 蒙古の大王 日本への使者 戰に備ふ 時…

影のレミニッセンス 松浦成友詩集

1996年1月、詩学社から刊行された松浦成友(1958~)の第2詩集。装幀は北見俊一。著者は町田市生まれ、刊行時の職業は県立高校教諭、住所は相模原市。 目次 被拘禁者の喜び 冬の蝶 ドレッサー 指輪 うみにねむる 烙印 石 (ミネラルの事) 午後のシューレ 表面…

河辺の髪 瀬戸口道子詩集

1981年11月、昭森社から刊行された瀬戸口道子の第2詩集。 目次 河辺の髪 亡き母からの手紙の来る日 芙蓉の庭 あやめの便り 嵐の中で 早春の夜の考える人 鍵 水の天体 舟路 生きものの声 日射しの多い月日 樹相 魚 夢とパン 第三の手 夜の計量 護りの腕 祈り…

無人島に生きる十六人 須川邦彦

1943年6月、大日本雄辯會講談社から刊行された須川邦彦の長編小説。装幀は田代光、絵図は北宏二。少國民の日本文庫。 目次 中川船長の話 龍睡丸出動の目的 探檢船の準備 大西風 世界の海員のお手本 故國日本へ 海龜の島、海鳥の島 パール・エンド・ハーミー…

春の謎 高垣憲正詩集

2010年11月、土曜美術出版販売から刊行された高垣憲正(1931~)の第5詩集。装幀は森本良成。著者は広島県世羅町生まれ、刊行時の住所は尾道市。 詩とは、実はささやかなものだと思う。 哲学、思想、意見や主張、あまたのメッセージがそのまま詩になるのでは…

世紀末・黄昏のジャズ 浅野明信詩集

1996年6月、北海詩人社から刊行された浅野明信(1933~2005)の第29詩集。表紙は原百合子。 目次 ゴンドラの唄 年金生活 誰か故郷を想わざる 青春の故郷 波瀾万丈 湖畔の宿と故郷の歌 世紀末・黄昏のジャズ 昼と夜の長さ 余生と日没 初老と思想 いつの日か日…

東洋艶笑滑稽聚 火野葦平

1952年5月、東京文庫から刊行された火野葦平(1907~1960)の短編小説集。装幀は根岸正。 目次 第一信 片目の鈍魚 第二信 象の卵 第三信 蝮と骰子 第四信 銀の金槌 第五信 王六郞 第六信 淫神 第七信 白い顏に黑い痣 第八信 中國糞尿譚 第九信 とりかへばや …

入らずの森 古谷鏡子詩集

2009年11月、砂子屋書房から刊行された古谷鏡子の第5詩集。表紙石版画は清水洋子。刊行時の著者の住所は調布市。 この頃、終りのない詩を書きたいと思っている。終りがないということは、一方でどこで終わってもいいということでもある。断片のように、そし…

ポートレート 金子美保詩集

1988年4月、詩学社から刊行された金子美保の第1詩集。装幀は内山朋子。刊行時の著者の住所は調布市。 この詩集にまとめた詩は、一九八六年から八七年にかけて書いたものです。 一番古いのは、本のタイトルにもなった「ポートレート」で、これは八六年の夏に…

風来先生 白川渥

1959年5月、講談社から刊行された白川渥(1907~1986)の長編小説。装幀は斎藤清。 目次 風来先生着任す 本来無一物 惨敗す 砂丘の花 暴力? 雨後の風 七月の園 花影深し 都塵 波 檄! 秋草 石と木の葉 初霜 海鳴 グッド・バイ NDLで検索Amazonで検索日本の…

式典 吉沢巴詩集

1993年3月、思潮社から刊行された吉沢巴の第3詩集。 忙しい、忙しい、というのが私の口癖です。早口言葉が得意で、道を歩くときは半分走っています。いつも仕事や、まるで生きることそのものに追いかけられているようです。家でも、物を読んだり書いたりする…

影たちの葬列 長津功三良詩集

2003年8月、幻棲舎から刊行された長津功三良(1934~)の第6詩集。著者は広島市生まれ、刊行時の住所は山口県玖珂郡美和町。 目次 影たちの葬列Ⅰ 腕 火焔樹 ずるむけ 壊れた空 うじむし 六五○型電車 白い鴉 黒く裂けた空 元安橋・燃料会館跡 三篠大橋付近 人…

賭の季節 佐野洋

1960年2月、新潮社から刊行された佐野洋(1928~2013)の長編小説。装幀は品川工。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

まひるの星 松山豊顕詩集

1979年12月、無限から刊行された松山豊顕(1926~)の詩集。著者は満州大連生まれ、刊行時の職業は高校進学塾塾長。 昭和五十四年九月七日午前二時、木原孝一さんが永眠された。 木原さんは「無限アカデミー」設立以来、世にかくれた詩人発掘と新人養成のた…

ルナール遍歴譚 水口洋治詩集

1981年11月、竹林館から刊行された水口洋治(1948~2013)の第4詩集。装幀は榊次郎、挿画は水口留美。著者は大阪市生まれ、刊行時の住所は大阪市東区。 目次 台風六号始末見聞錄 鶏 奴 愛すべきギョッタン 鶺鴒 仁德天皇陵 疑獄 ツバメ 警報ランプ 鬼行列 風…

選ばれた男 濱本浩

1941年12月、大日書房から刊行された濱本浩の短編小説集。装幀は古澤岩美。新撰大衆文学傑作集。 目次 東天紅 空の呼聲 勝鬨長者 黒潮の町 千人掌の花 志願兵出征 國境警備 隣り人 淺間の夕焼 選ばれた男 歌撰録 遠い町の灯 青空 NDLで検索Amazonで検索日本…

白い夜 山本律子

2002年11月、土曜日術出版販売から刊行された山本律子(1968~)の第1詩集。装幀は狭山トオル。著者は埼玉県生まれ、写真家。 なんとなく続けていた。やりたかったというより、やってきたこと。いつのまにかつづいていたこと。私にとって詩を書くということ…

草津雑記 長田大生詩集

2002年12月、白地社から刊行された長田大生の詩集。装幀は有田純子。 目次 ・魚体 仏魚 臭魚 卵巣 霊魚 貴魚 黄魚 茸魚 干魚 棒魚 ・草津雑記 夏秋 春夏 雨天曇天 日々幻日 手術前後 ・独房 独房 続独房 ・ぼくのアメリカ ドル going my way コーンパイプ ム…