1969年8月、思潮社から刊行された渡辺武信(1938~)の評論集。装幀は田辺輝男。「現代の批評叢書」3。
目次
・ぼくたちの状況について
- 風の中から 書くことの位置づけの試み
- 1(世界はときどき美しい。)
- 2(死、それは罪以上だ。あやまちだ。)
- 3(いついかなる時にも生を選べるようにしなくてはならない。)
- 4(われわれは狂気へのおそれから想像力の旗をやむなく半旗にしておくわけではない。)
- こどもたちのために ぼくたちの世代についての一つの覚え書
- 二つの応答
- 1 愛について――愛はぼくたちを現実化する
- 2 ぼくたちはどこへ行くか――”どこへ行きゃいいんだ”あるいは”凶区とは絶え間ない現在である
- 六月の記憶の彼方へ
・状況 一九六三
- 緊張したへ〈関係〉のなかで 一九六三年六月
- 〈わたし〉とは何か 一九六三年七月
- 詩と日常性 一九六三年八月
- 詩の構造 一九六三年九月
- 原体験その他 一九六三年十月
- 詩と記憶 一九六三年十一月
- 形成されつつある時代 一九六三年状況展望
- 0 未来としての時代
- 1 旧〈荒地〉の詩人たち
- 2 50年代の詩人たち
- 3 a50年代の詩人たちにつづくもの
- 3 b〈列島〉以後
- 4 新世代の方法と主題
・状況一九六五―一九六六
- 詩的快楽のゆくえ 一九六五年状況展望
- 真の感情の発見へ
- 戦後詩の一断面 問題設定と中間報告
- 感情の獲得 快楽は宿命を実現する
・状況 一九六八
- 詩の魅惑と拘束力 ぼくは詩から自由ではない
- 1 なにもできない?
- 2 なにをしてもいい?
- 3 書くことについて書く?
- 4 詩は詩自身に近づく?
- 5 遠ざかることによって近づく???
・状況の中の詩人たち 一九六四―一九六六
- 岩田宏論 あるいはやさしい呪術師のおくれた時計
- 大岡信論 あるいは感覚の至福からのいたましき目覚め
- 熱い志向のゆくえ 大岡信《ヴォルス》について
- 現象化への賭けと美しい矛盾 大岡信《文明の中の詩と芸術》をめぐって
- 日本へのアンビバレンス 大岡信《超現実と抒情》
- 〈戦後世代〉と〈日本〉 大江健三郎《厳粛な綱渡り》
- 言葉の肉体性の喪失 《田村隆一詩集》
- 詩の主題と肉体の死 高見順《おれの食道に》
- 歌を阻む死への対峙 吉野弘《火の子》《乳房に関する一章》
- 持続へのたえざる意志 天沢退二郎《時間錯誤》
- 平穏さの背景 吉本隆明《佃渡しで》
- 関心とはなにか 飯島耕一 《ウィリアム・ブレイクを憶い出す詩》
- 多声的方法の魅力とその限界 中桐雅夫《秋の遍歴》
- 生の原型への信頼を超えて 谷川俊太郎《水の輪廻》
- 真の試練の時 堀川正美《ゆめは梵のまぼろし》
あとがき