2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

水の悲哀 植村孝詩集

1987年12月、蜘蛛出版社から刊行された植村孝の第3詩集。著者は姫路生まれ、刊行時の住所は姫路市広畑区。 人生は苦しみの山を、一歩一歩登りつめていく登山家だ。人間一生決して楽ではない。 求めもしない苦しみや悩みを背負ってあがきながら登りつめる登山…

龍詩集 1992

1992年12月、龍詩社から刊行されたアンソロジー。装幀は武田肇。 「龍詩集一九九二年版」をお手もとにお届けできることを幸いに思います。通巻第十八冊めを迎えることができました。 九一年版編集後からの同人の活動、特に詩集出版としては、久しく待望され…

きみはねむれるか 大林明彦歌集

1975年5月、反措定出版局から刊行された大林明彦(1946~)の第1詩集。著者は佐渡生まれ、刊行時の住所は調布市、日大三高勤務。 目次 I 言葉は現実の絵である 1 アンカーの季 2 青空 3 ラグビィと少年 4 そこにはきみの朝焼がある II 戦争とメルヘン 1 五千…

小鳥のかげ 武田隆子詩集

1970年8月、紅花社から刊行された武田隆子(1909~2008)の詩集。 人は何処まで行っても 独りで寂しいですね。これからも青い空や 海に寂しい心を浸透させたり季節の推移に人間存在の明暗を響かせたり氷や砂にいのちの濃淡を描いたりして自然とひととの融合…

首飴その他の詩篇 服部誕詩集

1986年10月、編集工房ノアから刊行された服部誕(1952~)の第1詩集。著者は兵庫県芦屋市生まれ、刊行時の著者の住所は箕面市。 十代の後半から散文(らしきもの)を書きだして、それでも七、八年は続いたでしょうか。そのときの同人誌の仲間には詩を書いてい…

鉄路のうたごえ 国鉄詩集 1954

1954年、三一書房から刊行された国鉄詩人連盟のアンソロジー。編集は国鉄労働組合本部文教部、国鉄詩人連盟、国鉄文学会。 目次 あいさつ・子上昌幸 国鉄の詩運動について・岡亮太郎 麦藁帽の歌(職場I) 連結手小屋(職場II) 足のにおい(生活) ピケ隊の…

父・山之口貘 山之口泉

1985年8月、思潮社から刊行された詩人・山之口貘(1903~1963)の評伝。著者は長男の山之口泉。装画は青木業平。 目次 Ⅰ Ⅰ最初の記憶 Ⅱのびた約束 Ⅲきちがい(?)詩人 Ⅳ斜視人間 Ⅴ火の車の出発 Ⅵ喧嘩相手 Ⅱ Ⅰ忘れにくい年 Ⅱ入院と手術 Ⅲ患者という名の父 Ⅳ最後…

狩男のいる部屋 大西美千代詩集

1987年8月、書房ふたばから刊行された大西美千代(1952~)の第3詩集。表紙写真は久保理子。 目次 狩男のいる部屋1 狩男の森 人間サラダ 狩男のいる部屋2 どこか遠くで 待つ 六月の雨昇 狩男の帰還 夢の点検と 昨日の夢の話 企て 風景論 蜜月 しかけ花火の…

遅滞 小澤克己詩集

1980年10月、論創社から刊行された小澤克己(1949~)の第1詩集。装幀は野村東央留。著者は川越市生まれ、刊行時の住所は川越市。 第一詩集を上梓したことにおいて、全く感慨が無い訳ではない、が、それよりも、今迄にあった様々な出会いと、これからありう…

血曼荼羅 香川弘夫詩集

1984年8月、橅の会から刊行された香川弘夫(1933~1944)の第4詩集。装幀は高橋昭八郎。著者は岩手県生まれ、刊行時の職業は時計店店主、住所は岩手県二戸郡。 目次 飢餓街道子守唄 孕婦夜泣唄 「菩薩」について 岸辺で 湯治場から サブナードに降る雪 来歴 …

まりあの午後 日原正彦詩集

1991年8月、土曜美術社から刊行された日原正彦(1947~)の第8詩集。装幀は司修。21世紀詩人叢書7。 目次 十時の空 <序詩> 命の輪1 命の輪2 君をお月見 最後の角砂糖 虹 空 海から ほのお サフラン 断片 まりあの午後 その声1 その声2 関係 コップたちと…

花綵列島 築地正子歌集

1979年11月、雁書館から刊行された築地正子(1920~2006)の第1歌集。刊行時の著者の住所は熊本県玉名郡。第24回現代歌人協会賞受賞作品。 昭和二十年代の終りから、五十年初め頃迄の作品を自撰し、逆年順にならべてみた。歌は何かといふ答は、私自身まだ出…

東京物語 國井克彦詩集

2007年10月、思潮社から刊行された國井克彦(1938~)の第11詩集。著者は台湾・基隆市生まれ、刊行時の住所は江戸川区平井。 目次 啼く鳥 からだ 幻視の海 手紙 純粋高校 蔵前橋通り 夢の楽器 夢の声 夢の雨 満天の星 月下の薔薇 二〇〇〇年 東京に雪が降る …

木の夢 立木早詩集

1992年7月、ワニ・プロダクションから刊行された立木早(1950~)の第1詩集。コラージュは木下泰弘。 逗子に岩殿寺という古い寺がある。その寺の中には泉鏡花の名がついた池などもあって、狸も時折往来する。 ある夏の宵、寺の住職には内緒で山門をくぐり、…

暇な喫茶店 青山雨子詩集

2010年3月、書肆山田から刊行された青山雨子(1961~)の第2詩集。装幀は青山咲子。著者は福井県武生市生まれ、刊行時の住所は福井県鯖江市。 昨年暮れから新雪が降りだし、今年の元旦は雪のなかで迎えた。 家の畑に、市の除雪車が雪を二メートル近く積み上…

雑草屋 田中武詩集

2009年3月、花神社から刊行された田中武(1934~)の第4詩集。装幀は直井和夫。刊行時の著者の住所は新潟県新発田市。 チンパンジーやニホンザルの育児では、子供が死んでもなかなか手放さない母親がいる。胸に抱いているのならまだしも、手にぶら下げて振り…

空を指す枝 三國玲子歌集

1954年6月、白玉書房から刊行された三國玲子(1924~1967)の歌集。装幀は三國恭三。潮汐叢書第18篇。第2回新歌人会賞受賞作品。 目次 ・昭和二十二年 光 望鄕歌 雪の詠唱 風の音 津輕早春 若き世代 友を悼む パンを燒く ミシンライト 移る季節 初冬行 ・昭…

奈良山越え 谷村義一詩集

2004年6月、湯川書房から刊行された谷村義一(1940~)の詩集。著者は大阪市生まれ、刊行時の住所は京田辺市。 目次 ニンニク 尻尾 猫と次男 電車は奈良山を越えて フィリピンからきた義眼 「旗日」の記憶 音叉と犬 体験 恐怖症 狐につままれた日 あや子 台…

複眼 赤木健介詩集

1969年1月、起点社から刊行された赤木健介(1907~1989)の第4詩集。装画はまつやま・ふみお。 私の詩集としては、『明日』(一九三五年、伊豆公夫名義)、「交響曲第九番』(一九四二年、赤木)『赤木健介叙事詩集』(一九四九年)があるので、本書『複眼』は第四…

無伴奏 赤木三郎詩集

2015年3月、書肆夢ゝから刊行された赤木三郎(1935~)の詩集。 目次 深みから サン=テグジュペリの星 ラディゲ 夢みるロルカ 壺井繁治の墓石 1.2.3 北 海夫人 朽旅のふね あざみ 水語 風語 (ような)と(ように) 無伴奏少年 シューベルトの盤 a 川…

この世界の片隅で 山代巴編

1965年7月、岩波書店から刊行された原爆被爆者のルポ。編者は山代巴。岩波新書(青版)566。 目次 まえがき 相生通り 文沢隆一 福島町 多地映一 IN UTERO 風早晃治 病理学者の怒り 杉原芳夫 あすにむかって 山口勇子 原爆の子から二十年 小久保均 ひ…

ヒロシマ二十年 原爆記録映画製作者の証言 加納竜一・水野肇

1965年8月、弘文堂から刊行された加納竜一(1904~)と水野肇(1920~)によるルポルタージュ。 目次 まえがき はじめに―つめたい試写室 第一章 ヒロシマ・八月六日 1 歴史の流れの中で 2 八月六日のヒロシマ 3 科学者第一陣 第二章 原爆記録映画の企画 …

限定版 原爆詩集 峠三吉

1958年10月、青木書店から刊行された峠三吉(1917~1953)の詩集。 目次 序 八月六日 死 炎 盲目 仮繃帯所にて 眼 倉庫の記録 としとったお母さん 炎の季節 ちいさい子 墓標 影 友 河のある風景 朝 微笑 一九五〇年の八月六日 夜 巷にて ある婦人へ 景観 呼…

オルフェウスの鏡 佐藤三夫詩集

1964年4月、新批評社から刊行された佐藤三夫(1929~)の第2詩集。 目次 ・太陽と雨 Blue Monday 四月の唄 太陽 牝猫 'O sole mio 線路工夫 雨の夜のショー・ウィンドー おまえの影 雨 ・夜の歌 夏のうたげ ナルシシスム 夜の歌 犬 黒い女 セレナーデ 抱擁 …

金色の泡沫 岩崎直哉詩集

1982年9月、近代文藝社から刊行された岩崎直哉の詩集。 詩稿は印刷すると、まるで他人の作品であるかのように見ることができるので、予想外の晶化に自己満足する愉しみがある反面、印刷自体を後悔したり、例えばテニオハの一字の使い方の不用意が、折角の演…

野獣祭典 佐藤東北夫詩集

1955年2月、詩世紀の會から刊行された佐藤東北夫の第1詩集。画像は裸本。 佐藤東北夫(むつお)は、鈍重な野獣である。自分で、そう思っている。 この鈍重な野獣は、ネオ・リアリズムより出發した。が、まるなく『詩世紀』にはいり、以後そこで詩作を繰けて…

点点とおちてゆく掌の絵 清水麟造詩集

1977年10月、昧爽社から刊行された清水麟造の詩集。装幀は小熊幹。 目次 キリギリス 鮭 獣 日日累累 沼の朝 木の虫 魚眼 砂のドンキホーテ 破れ目 淵で 夜の花 告別 月 執着 金魚 零度 ためらい 朝 ぼろきれ ざらめの花が揺れるあたり ためらいの橋 あの淵 …

雪おんな 宮岡頌子詩集

1971年8月、騒騒企画から刊行された宮岡頌子の第1詩集。編集は金石稔。騒騒叢書2。 目次 ・壱*九篇 芽立ちの歌 花あかり 彼岸 冬の意匠 眠りのまえを 巻雲 早春 ぼくらのうたが聴える 初潮 ・弐*八篇 少女に朝がくるとき 恐山 花 残照 眠り 夜のバラード 挽…

女夫ケ池 津田信

1961年5月、大和出版から刊行された津田信(1925~1983)の短編小説集。表題作は第42回直木賞候補、「忍ヶ丘」は第44回直木賞候補作品。 五年前に東京から湘南の海岸町に移り住んで以来、私は、雨が降らない限り日に一度、海辺を散歩することにしている。と…

青衣詩集 1969年版

1969年9月、青衣社から刊行されたアンソロジー詩集。編集は高橋渡、比留間一成。写真は野村茂、装幀は田原利市。 目次 傾いた街で 伊勢山峻 立春大吉・景清 三井葉子 公園・忘れの谷 片村至雄 街・千日紅・青の水 上平紗恵子 冬の蝶・不喪而喪 高橋渡 波頭・…