2020-08-15から1日間の記事一覧

三等旅行記 林芙美子

1948年9月、方向社から復刊された林芙美子(1903~1951)の随筆集。底本は1933年改造社版。 目次 西比利亞の三等列車 巴里まで晴天 下駄で步いた巴里 佛蘭西の田舍 巴里案内 巴里の片言 ひとり旅の記 屋根裏三味 三等船室雜話 牡蠣を食ふ話 一瞬の歐洲の旅 …

水になる 森本敏子詩集

1983年12月、編集工房ノアから刊行された森本敏子(1930~)の第4詩集。装幀は粟津謙太郎。 今年の五月詩誌「灌木」を主宰しておられた喜志邦三先生が永眠されました。「灌木」は昭和二十八年「再現」の名で創刊され、二十八号より「灌木」と改称されて以来…

子どもと戦争 石川逸子詩集

1976年5月、新日本文学会出版部から刊行された石川逸子(1933~)の第4詩集。装幀は井上正篤。 日中、大平洋戦争、と、中国、東南アジアへの侵略戦争のとき子どもだったものは、それから三十年がすぎて、かつてと同じ国家が、朝鮮、ベトナム戦争で肥え太り、…

悲劇のシステム 作家Mと甘粕大尉 中林庫子

1995年5月、紅書房から刊行された中林庫子(1917~2007)による真船豊の評伝。装幀は山本美智代。 あのころは戯曲といえば、すぐおうむ返しに眞船豊の名がかえってきた。じじつ彼の名は戯曲の代名詞であり、当時は第一人者だった。だが人びとから葬り去られ…

愛と死の歌 加藤八千代詩集

1955年11月、書肆ユリイカから刊行された加藤八千代の第1詩集。 目次 四行詩 かくれんぼ 雪の日の夕闇 影ふみ 鬼ごっこ 石けり 怒り 落葉 緑の証しのためには 私が走れば 秘密 別離 私は知っている 星は雨を降りそそぐ 祈 愛 私は貴女のなかに 私は知りたい …

ああ、生きて帰りたい 比島戦記 高橋喜平

1980年6月、創樹社から刊行された雪氷学者・高橋喜平(1910~2006)による戦記。 目次 第一章 まえがき 第一章 ああ、生きて帰りたい――昭和一七年一月三日~五月一五日 第二章 まえがき 第二章 急性大腸炎記――昭和一七年七月七日~八月二八日 第三章 まえが…

歌集 廣島

1954年8月、第二書房から刊行された原爆歌集アンソロジー。編集は『廣島』編集委員会(代表は豊田清史)。写真はイサム・ノグチ「平和大橋」。撮影は稲村豊。 灰燼に生きて八年有半、未だ拭われずしてひしぐもの幾多の声がある。この真実なる<広島の声>を歌…